新年に寄せて

2022-1-5

株式会社日本消費者新聞社
代表取締役主幹 岩下道治

新年明けましておめでとうございます。

令和4年、年頭に当り謹んで新年のご挨拶申し上げます。

昨年は世界がそして日本が新型コロナ禍、その感染の恐怖に苛いなまされた年でありました。発生から2年、今なお変異を繰り返す新型ウイルス。その生命力(伝染力)は類をみない力を蓄えており撲滅は幾多の生命科学上の難題を内包、克服の険しさが指摘されています。

こうした中、撲滅を問うより、人類との共生、共存の道を“是”とする疫学識者の声が俄に高まって参りました。ウイルスとの関りに一石を投じる、そんな希望を令和4年に託したいものです。

さて令和4年度政府予算案の大枠が決定しました。100兆円越え予算は4期連続の大型予算となりました。特筆すべきは社会保障費と国債の割合が約6割。これに防衛費の膨らみであります。「公共事業費の拡大」「脱炭素」「新型コロナ対策」「デジタル田園都市構想」など緊急に取り組む事案が目白押し。「成長と分配の好循環」を掲げる政府構想、果たして実現できるのか見定めたい。

さて今年の消費者関連分野の動向について幾つか触れてみたいと思います。この中でも消費者行政については、各省庁間、年頭所感で詳報。参照願いたく存じます。

まず第一の注目度はデジタル化の波が行政府をはじめ各主要消費者団体の基幹分野に危機意識が生じ始めております。政府は「デジタル田園都市国家構想」と銘打ってその実現に向け急ピッチで作業が本格化、その動向が待たれます。

消費者団体もコロナ禍にあってリモートなどオンラインによる団体間の意志の疎通や不慣れな機器の扱い方、効果的なデジタル対応への修得が顕著になったとしています。また都内の消費者団体の幹部は「長引くコロナ禍は消費者の巣ごもりが定着しデジタル化の推進に寄与した」とし、リアル集会からオンライン集会のプラス面を強調していますが実状は進む高齢化の中、企画・立案分野での技術者不足は運動の足かせになっている感は否めません。

次に昨年公表された「消費者白書」(21年版)は消費者に大きな衝撃を投じました。被害総額四兆円近いとされるその実態は、全国の消費者苦情件数94万件の内、実際の被害者が消費者センターに寄せる相談はなんとわずか8%。消費者ホットライン「188」架電率1%にも示されているように、実際の被害はもっと甚大な額にのぼります。白書は巨額化する消費者被害の実態を捉え警鐘を発し、その対策を問うています。

コロナ禍唯中、押し寄せる不確実性の波、この大波に真向うから、社員一丸となって消費者専門紙の確立に努めて参ります。

本年も宜しくお願い申し上げます。

消費者運動年鑑2023

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