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【欧州】デジタルユーロの導入、消費者団体は「歓迎」

vzbv

欧州中央銀行(ECB)が10月18日、「デジタルユーロ」の導入に向け、準備段階に進むと発表したことを受け、ドイツの消費者団体vzbvは「この措置を歓迎する」との声明を出した。vzbvのラモナ・ポップ理事は「デジタルユーロを推進し続けることが重要だ。消費者はどこでも使え、プライバシーが厳格に保護され、簡単で、無料の支払い方法を必要としている」とコメントした。

欧州ではデビッドカードが普及しているが、消費者トラブルも発生している。vzbvには銀行が発行する新しいデビットカード(VisaもしくはMastercard)に関する苦情が1745件寄せられており、銀行の説明とは異なり、支払いができないケースが発生しているという。

ポップ理事は「デジタル決済は一部のグローバル金融企業による商業的利益から独立すべきだ。ユーロ圏では消費者が現金と同様に簡単に使用できる独自の決済システムが不足しており、デジタルユーロがこれを実現するだろう」と期待を寄せた。

一方で、デジタルユーロ導入の条件としてプライバシー保護の強化をあげ、「現金と同様にオフライン決済の際は匿名性を提供し、オンライン決済でも現在よりもさらに強固なレベルのプライバシーを提供するべきだ」と求めた。

過去の声明などから浮かび上がるvzbvの主な要求事項は▽消費者のプライバシー保護、特にオンライン支払いの際に保護されること▽データが収集されないよう取引の匿名性を改善すること▽すべての政府機関・銀行・プロバイダーで取り扱われること(穴があってはならない)▽消費者の誰もが使用できるよう郵便局など公的機関が支援すること▽支払いの際の選択の自由を確保するため、現金払いを法律で保護すること――など。

ポップ理事は「デジタルユーロは匿名性のあるバリアフリーの支払い手段として現金に置き換わるものではなく、あくまでも現金を補完するものでなくてはならない」と訴えている。

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