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【米国】FTC、AI音声のなりすまし詐欺防止へアイデア募集

米連邦取引委員会

AIを使った音声クローン技術によるなりすまし詐欺を防ぐため、米連邦取引委員会(FTC)は一般から具体的なアイデアを募る「ボイス・クローニング・チャレンジ」を実施すると発表した。1月2日~12日までオンラインで受け付け、勝者には2万5000ドル(約370万円)の賞金を贈る。

チャレンジ制度はアメリカCOMPETES法(America COMPETES Act)に基づくもので、FTCが実施するのは5回目。消費者問題に対処するためのツールの開発に役立てるのが狙いで、過去にはロボコール対策に関するチャレンジやIoT(モノのインターネット)のセキュリティ脆弱性に関するチャレンジなどを行った。

今回はAIを使った音声クローン技術に焦点をあて、家族や友人、企業幹部になりすました詐欺への対策を進める方針。音声クローン生成ソフトウェアの使用を制限する方法(アクセス権限設定など)やクローン化された音声をリアルタイム検出する技術、オーディオクリップ(音声データ)にクローン音声が含まれていないかを確認する技術など、専門的かつ技術的で実行可能なアイデアを募集する。

FTC消費者保護局のサミュエル・レイバン局長は「我々は音声クローン技術の悪用による被害を防ぐため、あらゆる手段を行使する」と語り、この技術が広く普及する前に法規制を整備する考えを明らかにした。

FTCは今年3月、AIクローン音声を使ったなりすまし詐欺への注意喚起を実施。「孫から助けを求める電話を信用しないでほしい。孫の声に聞こえるが、実際は音声クローンだ」などと注意を呼びかけていた。

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