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紫外線の「予防と活用」学ぶ講座開催 23人が照射実験を体験

◎東京都消費生活総合センター主催 日焼け止めの正しい塗り方も紹介

東京都消費生活総合センターで2月21日、実験実習講座「意外と知らない紫外線の知識」が開かれた。都民23人が参加し、食品や洗剤、紫外線硬化樹脂など身近なものを使った実験を通じて紫外線の特性を学んだ。紫外線は日焼けやシワ・シミの原因となる一方で、お札の偽造防止や殺菌装置、食品衛生など幅広い分野で利用されている。同センターは「紫外線は太陽から降り注ぐ身近なエネルギー。特性をよく理解して予防対策や有効活用につなげてほしい」と呼びかけた。

様々な食品に紫外線ライトを照射する実験。葉緑素やタンニン、ビタミンなどが反応する(都センター実習実験室にて)

講座は講義と実験の二部構成。講師は同センター技術支援担当職員が務め、参加者は2時間半にわたり紫外線の特性を学んだ。

講義では紫外線が3種類(A波・B波・C波)あることや、それぞれの性質などが説明された。人体への影響については、日焼けやシワ・シミの原因になる一方で、ビタミンDの生成に関与することが紹介され、「1日に10~20分程度、手のひらでもいいので日光に当たることが推奨され始めている」との説明があった。

日焼け対策の一つとして日焼け止めの正しい塗り方が紹介された。講師は「日焼け止めが効果を発揮するには15~30分程度かかるため、外出する30分前に塗り終えてほしい。日焼けしやすい部分や日焼け止めが落ちやすい部分には重ねて厚めに塗るとよい」と説明。また、紫外線の強い9時~14時の外出をできるだけ避けること、雨天や日陰でも紫外線を浴びるので対策を怠らないことなど注意を促した。

実験では、食品や洗剤、ハガキに紫外線ライトを当てる実験などが行われた。熟したバナナに紫外線を当てると青く光るため食べごろのサインになる。蛍光剤の入った洗剤で白い紙に絵を描くと、そのままでは見えないが、紫外線ライトを当てると絵が浮かび上がる。ハガキに紫外線を当てると、バーコードが表れた。これは、宛先などを表すもので、郵便局で受け付けた郵便物に印刷されるものである。参加者は、こうした技術が生活の中で役立っていることを学んだ。

(本紙「ニッポン消費者新聞」3月1日号より転載)
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