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紙せっけんで消費者ホットラインを周知 大学生が啓発グッズ発案

◎消費生活センターと武庫川女子大学がコラボ 若者に配布へ

4月からの新生活を前に、兵庫県立消費生活総合センターは武庫川女子大の学生と連携し、消費者ホットライン(局番なし188番)をアピールする紙せっけんを作成した。社会経験の少ない若者に早期の相談を促す狙い。同センターが実施する出前講座において高校生、大学生、新入社員など若者を中心に3000個を配布していく。発案した今田光咲さん(教育学部1回生)は「軽くて小さいのでカバンに常に入れて持ち歩いて188を覚えて欲しい」と呼びかけた。

紙せっけんによる啓発グッズを発案した今田光咲さん(中央)とセンター学習交流推進課の濱本彰さん(左)、吉井美奈子准教授(右)(写真提供:兵庫県立消費生活総合センター)

若者に受け入れられやすい啓発グッズを作成するため、同センターは大学生とのコラボを企画。武庫川女子大学教育学部の吉井美奈子准教授の協力のもと、総勢263人の学生がグッズのデザイン化に挑んだ。課せられた条件は「環境に配慮したグッズの選定」と「効果的なデザイン・キャッチコピーの作成」の2つ。これに対し111件の提案があり、学生による投票などを経て4件に絞り込んだ。その後、吉井准教授と同センターで協議し、最終的に「紙せっけん」を採用した。

作成した紙せっけん

紙せっけんは学生らが幼児の頃に流行したことがあり、この世代の若者にとって親しみを持ちやすい商品。また、小さく軽いため持ち運びに便利な上、コロナ禍の経験により若者の多くが手洗いなどの衛生対策に高い関心を持っているという。吉井准教授は「プラスチックごみにならない点を重視するとメモ帳などの紙製品が思い浮かぶが、紙せっけんは思いつかなかった。この世代ならではの発想」、「ウイルス感染防止の観点はコロナ禍の経験が活かされた」と総評した。

紙せっけんは10枚入り。ケースは紙製で、包装袋に生分解性プラスチックを使った。「紙せっけんでクリーンに!188でスッキリと!」の合言葉をデザインし、県マスコット「ハバタン」と大学キャラクター「ラビー」を左右に配置し、コラボグッズであることを表現した。発案した今田光咲さんは「外出先で石けんが無いところもあるので、自分が欲しいと思っていた」、「消費者ホットライン188が目立つようにした」などとコメントした。

(本紙「ニッポン消費者新聞」4月1日号より転載)
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