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【米国】当局が「AI音声詐欺」対策のアイデア募集 4件が受賞

米連邦取引委員会

AIが作り出す音声クローンによるなりすまし詐欺を防ぐため、米連邦取引員会(FTC)が実施した公募企画「音声クローンチャレンジ」の受賞者が発表された。AI音声を検出するアルゴリズムや、複製することを困難にする技術など4件が選ばれた。FTCのサミュエル・レビン消費者保護局長は「民間のアイデアを活用することは大規模な不正行為を解決するのに極めて重要だ。我々は今後もあらゆるツールを活用し、消費者を保護するための革新的な提案を進めていく」とコメントした。

受賞作の一つ目はAIでAIを検出する技術。AIアルゴリズムを利用して、本物の音声パターンと合成音声パターンの微妙な違いを区別する。

二つ目は「透かし」と呼ばれる技術を用いたもの。音声クローンを作成するための音声サンプルは通常、ソーシャルメディアや他のプラットフォーマーから収集されるため、人間の耳では感知できない歪みを音声サンプルに埋め込み、クローンの作成を困難にする。

三つ目は音声をデータ化(録音)する際に人間が発した音声であることを認証する技術。多くのデバイスに搭載されている既存のセンサーを用いて人間の音声の音響と喉や口から発生する生体的な信号を同時に測定し、人間のものであることを判定。その認証を透かしとして埋め込み、AIクローンと区別する。

四つ目は音声クローンと音声ディープフェイクをリアルタイムで検出する技術。着信した電話やデジタル音声を2秒ごとに評価し、ディープフェイクの可能性があるものを検出する。

FTCは「4件の受賞作品は音声クローンのリスク軽減に役立つ最先端テクノロジーの可能性を示したものだ」とする一方で「同時に、この問題に対する唯一の解決策がないことを浮き彫りにした」とし、法規制を含めた全方位的な対策を進めると強調した。アメリカCOMPETES法に基づくFTCのチャレンジは今回が6回目。

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