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菊地弁護士が講演、「悪質業者手ごわい」 手口の裏側示す

テレビ番組でもおなじみの菊地幸夫弁護士が東京都内で講演し、悪質商法に騙されない心構えを披露した。自身が携わった裁判の実例を示しながら、オレオレ詐欺やエステティックサロンの強引勧誘などの悪質手口を紹介。「相手は子を思う親心や美への追求といった消費者の弱点を突いてくる。相当手ごわい相手なので、不審に感じたらすぐに消費生活センターなどに相談してほしい」と呼びかけた。

ユーモアを交えながら悪質商法に注意を呼びかける菊地弁護士(9日午後、東京都ウィメンズプラザホールにて)

この講演会は東京都と東京都金融広報委員会の主催。「賢い消費者のススメ」と題した消費生活講座として開催され、209人が参加した。

菊地弁護士は、高校生がオレオレ詐欺の受け子(現金受け取り役)に誘われ、バイト感覚で犯罪に手を染めていく事例などを紹介した。犯行グループの手口は、息子を装って数日おきに何度も短い電話をかけ、息子だと信じ込ませたところで犯行に及ぶというもの。菊地弁護士は「相手はシナリオを練り、組織で仕掛けてくる。最後は慌てさせて精神的に追い込み、お金を払わせる。相当手ごわい相手だ」と警告した。

エステの事例では、「肌が美しい」とほめておきながら、目の届かない部分にひどい肌荒れがあるなどと不安をあおり、高額なサプリメントを強引に勧誘する手口を紹介。また、男子大学生が出会い系サイトで知り合った女性に誘われて、高額なスーツを買わされた事例では、契約後8日間は連日デートに誘い出すなどしてクーリングオフを妨害する手口を示した。

菊地弁護士は「消費者被害の共通点は子を思う親心や、きれいになりたい、異性にいいところを見せたい、楽して儲けたいといった弱点を突かれること。トークを信じるのは危険だ」として、“耳で買うな、目で買え”“ほしいものを買うな、必要なものを買え”という格言を披露。「不審に感じたら身近な人だけでなく、消費生活センターにすぐに相談してほしい」と呼びかけた。

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