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電動爪切りで指の巻き込み事故 NITE「高齢者は注意を」

電動爪切りのスクリュー部分に指を巻き込む高齢者の事故が起きていたことが9月13日、NITE(製品評価技術基盤機構)の調べでわかった。年齢からくるたるみにより皮膚が刃に巻き込まれたことが原因とみられたが、製品にはこうした危険性に関する注意表示がなかった。NITEは「高齢者の身体的な変化に関わる注意事項の記載が不十分な製品がある」として注意を呼びかけている。

電動爪切りで発生した高齢者の事故に注意を呼びかけるNITEのポスター(13日、NITEにて)

電動爪切りは乾電池で動く爪切り。開口部に爪を押し当ててボタンを押すと、スクリュー状の刃が回転して爪を削る仕組み。通常の爪切りとは異なり、指の力を必要とせず、利き手側の指も簡単に削れるため、高齢者・介護用とうたって販売されるケースもある。

千葉県で昨年6月に起きた事故は、70歳代の男性が電動爪切りを使用中、スクリュー部分に指が巻き込まれてけがを負ったというもの。電動爪切りの開口部は通常、肌を当てても回転ローラーに巻き込まれることはない程度の大きさだが、NITEは「たるみのある部位が当たるなどして皮膚が開口部に深く潜り込み、スクリュー部分に巻き込まれた」と推測。製品の取扱説明書などに、皮膚の巻き込みの危険性に対する注意表示の記載がなかったと指摘した。

NITE製品安全センター・リスク評価広報課の向井祐太主任は「皮膚のたるみが刃に巻き込まれてしまったり、(爪を押し当てる際の)力の調整が上手くできずに強く押し当ててしまったり、爪に当てるはずだったのに指の側面に当ててしまったりしてけがをする事故が発生している」と説明。電動爪切りの取り扱いに注意を呼びかけるとともに、「製品によっては、高齢者の身体的特性(皮膚のたるみなど)に関わる注意事項の記載が不十分なものもある」と指摘した。

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