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「血液サラサラ」 サメ軟骨食品を違法勧誘 埼玉県が処分

赤信号

「血液がサラサラになる」などとうその効能を告げるなどしてサメ軟骨健康食品を勧誘していたとして、埼玉県は10月12日、山梨県内の訪問販売事業者に対し、特定商取引法違反で指示処分を下した。平均契約金額は23万円超と高額で、県はこれまでに132件の契約を把握している。

指示処分を受けたのは山梨県甲府市の有限会社ひまわり村。同社は8月29日に甲府地方裁判所から破産手続き開始の決定を受け、現在、破産手続き中。

県消費生活課によると、同社は県内で、社名や商品名のない新聞折り込み広告を定期的に配布。広告には「健康食品を服用したら体の症状が良くなった」などとする体験談と連絡先を掲載し、問い合わせてきた消費者宅を訪れて、サメ軟骨健康食品の「鮫一豊」「鮫一寛」「鮫大使」を勧誘していた。

勧誘の際、同社は「液体サメ軟骨を飲めば、血液がサラサラになる」「足が悪いのもよくなる。内臓機能もよくなる」などとうその説明をしたほか、勝手に契約書を作り始めたり、断ったのに何度も契約を迫ったりしていた。また、クレジット契約を申し込んだ消費者の年収をめぐり、「このままだとローンの審査が通らないかもしれない」として、実際よりも高い金額を記入するなどしていた。県が認定した違反行為は勧誘目的不明示、不備書面交付、不実告知、迷惑勧誘、適合性原則違反。

県には2015年11月以降、11件の相談があり、平均契約金額は23万2千円、契約者の平均年齢は66.9歳だった。同社は2014年10月~今年2月までの間に、県内で132件の契約をしており、特に深谷市(14件)や春日部市(9件)、秩父市(8件)などで目立った。県内での売り上げは年間平均720万円(今年2月までの4期の平均)に上る。

県の特定商取引法執行は今年度、2件目。2013~17年度までの5年間では計36件行っており、東京都に次ぐ件数となっている。県消費生活課は「悪質事業者には徹底した取り締まりを行っていく方針だ」と話す。

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