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誇大広告は通報を! 東京都が監視強化、情報管理班も設置

東京都は、2013年に立ち上げた「悪質事業者通報サイト」をリニューアルし、誇大広告の取締りの強化に乗り出した。消費者から広く通報を受け付け、景品表示法による法執行につなげる。寄せられた情報を分析する専門部署「情報管理班」も新設した。取引指導課は「通報サイトはスマホにも対応し、画像を添付できるようにした。うそや大げさな広告の証拠を送ってほしい」と呼びかけた。

窓口を一元化した「悪質事業者通報サイト」。「東京くらしWEB」内の専用バナーからアクセスできる

通報サイトの強化は、今年3月にまとめた消費生活基本計画に基づく取り組みの一環。これまでの「悪質事業者」と「架空請求」の通報窓口を一元化し、新たに「誇大広告」の通報受付を開始した。

刷新したサイトはスマートフォンに対応し、証拠となる画像の添付も可能。架空請求の通報窓口では、様々な手口(メール・SMS(=ショートメールサービス)・ハガキなど)に応じたフォームを用意し、「スマホでも直感的に入力できるようにした」という。

通報は4月に新設した専門部署「情報管理班」に届き、3人体制で違法性(特定商取引法、景品表示法、消費者安全法、東京都消費生活条例)を分析・整理して、それぞれの指導チームに割り振っていく。

都は今年3月、通信販売サイトで痩身効果をうたって下着などを販売していた事業者に対して、景表法に基づく措置命令を実施した。取引指導課は「都道府県に権限が付与されて以降、都として初めての措置命令となる。我々にとって、本件が皮切りであり、これと同等もしくはこれ以上に悪質な事例については、公平の原則に照らし合わせて法の執行を行っていく方針だ」と強調。「監視の網を広げるためにも通報サイトを充実させていきたい」と語った。

通報は都内在住・在勤・在学の人が対象で、おおむね2年以内の事例を受け付ける。2017年度は悪質事業者に関する通報が286件あり、業務停止命令1件、行政指導等を6件実施。架空請求では、2401件の通報があり、96件の事業者名公表等につなげた。

サイトを刷新した9月28日以降、連日、平均1~2件の通報が寄せられ、誇大広告についてもすでに数件届いているという。取引指導課は「迅速性が悪質業者の取締り強化の最重要ポイント。様々な手口を駆使し、法のすき間を狙う業者が増えているので、画像を添えて情報を寄せてほしい」と呼びかけた。

(本紙「ニッポン消費者新聞」11月1日号より一部加筆し転載)

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