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はっ水加工 洗濯で低下、アイロンで回復 柔軟剤はご法度

北海道立消費生活センターは「はっ水加工」の表示がある繊維製品の商品テストを実施した。テストでは、洗濯や摩擦によってはっ水性が低下する一方で、アイロンをかけると回復することがわかった。また、洗濯後に柔軟剤を使うと界面活性剤の影響ではっ水性が著しく低下した。同センターは「柔軟剤は使わないこと。洗濯や摩擦に弱いので取り扱いに気をつけて、こまめにアイロンをかけると長持ちする」とアドバイスしている。

(上)洗濯ではっ水性が低下(下)アイロンの熱で回復(北海道立消費生活センター提供)

テスト対象は、はっ水加工をうたう繊維製品11商品。内訳はランチョンマット5商品、エプロン2商品、テーブルクロス、ソファーカバー、パーカー、アウトドアパンツが各1商品。

レインコートやかっぱに適用されるJIS(日本工業規格)の試験方法を参考にはっ水度を調べたところ、いずれの商品も2級以上(5級が最高)となり、家庭用品品質表示法のコート類の規定を満たし、はっ水効果を保持していることが確認できた。

洗濯による影響を調べたところ、いずれの商品も洗濯回数が増えるにつれてはっ水性が低下する傾向にあった。洗濯20回後では6商品が2級以下に低下したが、3商品は3級以上を維持するなど商品により差が見られた。

洗濯後に柔軟剤処理をしたところ、全ての商品のはっ水性が大きく低下。はっ水加工の上に界面活性剤が膜を張るため、水がしみ込みやすくなった。100回および300回の摩擦を加えた試験では、全商品ではっ水性が低下し、摩擦回数が多いほど低下の度合いが大きかった。

一方、洗濯10回、20回後にアイロンをかけると、すべての商品で回復した。ただし、摩擦300回後では回復しない商品があり、はっ水加工が残っていないことが原因とみられた。

同センターによると、洗濯の繰り返しや摩擦によってはっ水性が低下するのは、加工に使われるフッ素樹脂に摩擦が加わると、フッ素の配列が乱れて水を弾かなくなるため。配列は熱である程度回復するといい、同センターは「早めにアイロンをかけたり、ドライヤーをあてたりするとよい。柔軟剤を使ってしまった場合は、もう一度洗濯すると回復する傾向にある。表示をよく確認して使い方を気をつけてほしい」とアドバイスしている。

今回のテスト対象品は家庭用品品質表示法の「はっ水」表示の対象外で、いずれも任意表示となるが、「洗濯後にはっ水効果が低下する」「洗濯を繰り返すことではっ水効果は徐々になくなる」などと記載をしている商品があった。また、注意表示として「柔軟剤を使用しない」「水滴をこぼした場合はすぐふきとる」「アイロンではっ水性が回復する」と記載しているものもあったという。

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