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USBメモリマルチ商法 都消費者被害救済委が紛争解決

東京都庁

昨年9月に東京都消費者被害救済委員会に付託されていた「USBメモリーを媒体とする投資関連学習教材に係る紛争」がこのほど解決した。東京都消費生活総合センターが「相手方事業者が調停案を受諾した」と発表した。この紛争案件はいわゆるマルチ商法取引。中途解約ができるか、中途解約ができない場合の法規定に該当するか、などが焦点になっていた。

紛争解決を求めていた申立人は20代前半の消費者2人。相手方は投資関連学習教材USBメモリの販売事業者。

申立人らの主張は次の通り。友人から勧誘目的を告げられないまま呼び出され、そこで相手方事業者に紹介され、投資学習教材が入ったUSBメモリ58万円の購入を勧められた。教材どおりに投資すればみんながお金持ちになる、損は出ないなどの説明を受け、「すぐに返せる」と言われ、消費者金融から購入資金を借り入れするよう強く勧められた。借金をして契約。契約時に、第三者にUSBメモリを紹介し、その人が購入すれば、一人につき5万円を支払う旨の説明を受けた。

その後、消費者金融からの借り入れの返済負担などから解約を申し出たものの、相手事業者が応じなかったことから紛争へと発展した、という内容。

東京都消費者被害救済委員会は双方の主張を聴いて紛争案件を審議。同委員会は

「本件はいわゆるマルチ商法。特定商取引法の規定によりクーリング・オフ期間経過後でも中途解約ができる」

「特定商取引法では、商品を使用した場合は中途解約ができない規定になっているが、それは〝相手方事業者が使用させた場合を除く”とされており、本件では相手方がUSBメモリを使用させており、中途解約できる」
 
と判断。それに基づき同委員会が「事業者は58万円のうち52万2千円を申立人に一括返還する」「申立人らは受け取ったUSBメモリを事業者に返還する」という調停案を提示、事業者が受諾し、解決に至った。

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