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【米国】スマホアプリが会話をこっそり収集しているのか検証

コンシューマーリポート

米消費者情報誌コンシューマー・リポートは7月10日、スマートフォンのアプリが会話情報を無断で収集している可能性について検証する記事を掲載した。消費者の半数近くが録音されていると信じているが、同誌は「スマホやアプリが会話をひそかに記録することは技術的に可能だが、これまでのところ盗聴している形跡はない」と結論付けている。

同誌が1006人を対象に実施したアンケートでは、43%の人が「会話を許可なく録音されていると思う」と回答。個人情報保護を巡る懸念が強いことがわかった。

そこで同誌は専門家を取材。ノースイースタン大学David Choffnes教授らの研究では、Android用の人気アプリ1万7000件を調べたが、端末のマイクを使って音声データを記録する事例は見つからなかった。また、モバイルセキュリティ企業Wanderaによる有名なデータ収集アプリを対象とした調査でも、音声を収集した事実は確認されなかった。

コンシューマー・リポートは「会話を録音しても、正確にテキスト変換するには膨大な計算能力が必要。市場価値のあるデータを収集するには実用的な手法ではないのかもしれない(もっと簡単な方法がある)」と分析している。

米国では「スマホで友人とスニーカーの話をしていると、フェイスブックにナイキの広告が表示された」といった都市伝説が根強く信じられているという。Wandera副社長のMichael Covington氏は「プラットフォーマー(大手IT企業)は会話データを使うことはないが、消費者が都市伝説を信じてしまうほど巧妙にターゲティング広告を表示するための、何かをやっていることは間違いない」と述べている。

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