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【米国】退室時に請求されるホテルの追加料金、前もって表示を

コンシューマーリポート

米消費者情報誌コンシューマー・リポート(CR)は8月7日、ホテルや宿泊予約サイトが追加料金を含めた宿泊代を表示せずに広告しているとして、米連邦取引委員会(FTC)に対し、執行措置を行うよう要請した。チェックアウトの際に高額なリゾートフィー(リゾート料金と称する追加料金)を請求される事例が相次いでいて、CRは「予約時に追加料金を開示しなければ、消費者は総額を把握できず、宿泊先を比較・選択することが困難になる」と指摘している。

CRは、過去にFTCから警告を受けた34のホテルと11の宿泊予約サイトの料金表示を調べた。その結果、リゾートフィーを請求している31のホテルのいずれもが、最初に目にするページに宿泊代のみを表示。追加料金を含めた全額を把握するには、複数回クリックする必要があった。また、リゾートフィーやその他の追加料金を合算すると、総額が2倍に膨れ上がるケースがあった。

一方、消費者アンケートでは、34%が「過去2年間以内に追加料金を請求されたことがある」と回答。そのうちの半数以上の人が「想定の範囲を超え、予算オーバーになった」と答えた。

リゾートフィーを巡っては、撤廃する動きが業界の一部にあるほか、料金表示の不備を理由にホテル大手を訴える州も現れている。しかし、ホテル側にとってリゾートフィーの旨味は大きく、改善が進まない状況。昨年1年間に業界が追加料金から得た収入は29億ドルにのぼるという。

CRは「我々の調査で、ホテルが価格を明確に開示していないことが判明したにもかかわらず、FTCの対応は遅れている。規則違反であるとの声明を早急に出し、不公正な慣行を取り締まるべきだ」と訴えている。

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