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小麦かび毒の規格基準、食安委が認めず 過剰摂取リスク指摘🔓

食品安全委員会は8月27日、小麦に含まれるかび毒、デオキシニバレノール(DON)の規格基準の設定に関する健康影響評価書案を承認した。厚生労働省が示した規格基準「1.0㎎/㎏」については触れず、事実上、評価を避けた形。同省などリスク管理機関にさらなる低減対策やデータの収集を求めた。9月26日まで意見募集を行い、正式な報告書をまとめた後、厚労省に提出する。

かび毒・自然毒等専門調査会がまとめた評価書案の報告を受ける食品安全委員会(27日午後)

厚労省が食安委に評価を依頼したのは▽小麦におけるDONの規格基準を「1.0㎎/kg」に設定すること▽基準値を検討する際に用いたTDI(耐容一日摂取量)における新たな知見を踏まえた変更の有無――の2点。

評価書案では、TDIについて、食安委が自ら調査で設定(2010年時)した「1μg/kg体重/日」を変更する必要はないとしたものの、規格基準の評価については記載しなかった。事実上、規格基準を認めなかったことになり、厚労省は新たな対策の検討を迫られる見通し。

厚労省は02年、小麦に対する暫定基準として「1.1㎎/kg」を設定。基準を超える小麦については販売の自主規制を事業者に求めるなどしてきた。一方、食安委は10年、TDIを設定するとともに、厚労省と農水省に対し、正式な規格基準の検討を求める通知を出していた。

暫定基準では1~6歳児の一部(95パーセンタイル値)がTDIを上回る「1.1μg/kg体重/日」を摂取している可能性があった。一方、新基準値でも…(続く)

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