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PSアワード最高賞に山本光学 安全性とデザイン性を両立

製品安全に取り組む企業を表彰する経済産業省主催の「第13回PSアワード(製品安全対策優良企業表彰)」の表彰式が11月22日、東京渋谷区で行われ、産業用保護メガネやスポーツ用アイウェアなどを製造する山本光学(東大阪市)が最高賞となる経済産業大臣賞を受賞した。

同社は2017年にPSアワードに初応募し、上位二番目の賞となる技術総括・保安審議官賞を受賞。2年後の今回は製品の使用者の意見を重視するユーザーファーストや全社一丸となった現場主義に加え、安全性とデザイン性を両立させた製品安全文化の構築に注力する姿勢が高く評価され、最高賞に輝いた。

記念撮影に応じる山本光学の山本直之社長(右)と中野洋昌経産政務官(22日、渋谷区文化総合センター大和田にて)

講演した山本直之社長は「前回の受賞時は当社の行動指針であるユーザーファーストや、全社一丸となった現場主義が評価されたが、製品安全文化の構築という視点が欠けていた」と振り返り、安全性とデザイン性の両立に価値を見い出すことを思いついたという。「当社が取り扱う製品は顔につけるものであり、安全であるのは当たり前。一方、製品のデザインが良くなく、使い勝手が悪いと誰もつけてくれない。製品安全はデザインが伴ってこそ、であり、それが我々独自の安全文化だと考えた」と語った。

こうした取り組みは、パラリンピック正式種目であるゴールボール用ゴーグルにも反映された。ゴールボールは視覚障がいの選手がチームで争う球技だが、山本社長は「目を保護するゴーグルは非常に重要で、ボールが当たっても安全なように設計しなければいけない。マイナー競技でもあり、独自の試験機を作って安全性を確認した。さらに選手の声を聴き、カラフルなデザインを採用して喜んでいただいた。ゴールボールの知名度アップにも貢献できるのではないか」と語った。

PSアワードは経済産業大臣賞あるいは金賞を合計3回以上受賞した企業を「製品安全対策ゴールド企業」と認定している。山本社長は「当社は来年のオリンピック・パラリンピックに先駆けて金メダルをいただけた。今後はゴールド企業を目指して精進したい」と表明した。

そのほか、技術総括・保安審議官賞はリコー、優良賞(審査委員会賞)はサマンサタバサジャパンリミテッド、カインズ、アイリスオーヤマ、ふとんのにしなかが受賞するなどした。

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