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石油暖房器具の誤使用に注意 死亡事故多発、給油作業は正確に

石油ストーブ・石油ファンヒーターの製品事故が2014年度からの5年間に337件起きていて、家屋が全焼するなどして57人が死亡したことが11月28日、NITE(製品評価技術基盤機構)の調べでわかった。給油口キャップの閉め忘れやガソリンの誤給油などの誤使用が目立ち、高齢者が被害に遭う事故が相次いでいた。NITEは「給油時は細心の注意を払ってほしい」と呼びかけている。

給油時にこぼれた灯油に引火し、炎があがった石油ストーブ(NITEの再現実験より)

石油ストーブ・石油ファンヒーターの事故337件のうち321件(95%)で火災が発生。全焼した事例が119件にのぼり全体の35%を占めた。死亡事故は50件で、57人が犠牲となり、高齢者が巻き込まれる事例が目立った。2017年11月に兵庫県で起きた事例では、石油ファンヒーターと建物を全焼する火災が発生。誤って給油したガソリンに引火したものとみられ、男性(80歳以上)1人が死亡した。

事故の大半を占めたのが誤使用を原因としたケース。給油時に灯油をこぼして火災になる事例や間違ってガソリンを給油した事例、干していた洗濯物が発火する事例などが数多く報告された。

NITEは石油暖房器具の事故を防ぐポイントとして次の4点をあげた。

▽給油する前に必ず消火する。給油後は給油口キャップをしっかりと締め、灯油漏れがないかを確認して本体にセットする

▽灯油は専用容器(灯油用ポリエチレンかんなど)に入れ、ガソリンとは別の場所で保管する。ラベル表示で区別するなど誤給油を防ぐための対策を徹底する

▽周囲に可燃物を置かない。洗濯物を乾かさない

▽就寝前に必ず消火し、完全に消えたことを確認する

NITE製品安全センターの吉津兼人参事官は「毎年この時期に注意喚起をしているが、暖房器具の事故が依然として起きている。4つのポイントは必ず守ってほしい事故防止対策。これにより重大な事故が激減すると考えている」と語った。

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