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食品ロス削減の国際的取り組み 日本でもプロジェクト始動

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イオンと食品21社が協働 2030年に半減めざす

小売り世界大手が参画する食品ロス削減の国際的な取り組み「10×20×30食品廃棄物削減イニシアティブ」の日本プロジェクトが始動した。アジアから唯一参画するイオンは取引する国内食品メーカー21社と協働し、サプライチェーン全体の食品ロス対策に乗り出す。2030年までに食品廃棄物の半減を目指す。

このイニシアティブは、地球環境・資源問題の政策研究を行う非営利団体「WRI」(米ワシントンDC)が9月24日、世界に向けて呼びかけたもの。小売り大手10社が、それぞれの20社の取引先と協働し、2030年までにサプライヤー全体で食品廃棄物を半減させることを目指す。象徴的な数字を組み合わせた「10×20×30」を掲げ、食品ロス削減の取り組みを世界に発信していく。

イニシアティブに参画する小売りは全11社。世界大手のウォルマート、クローガー、テスコ、カルフールなどが名を連ね、アジアからは唯一イオンが名乗りを上げた。11社はそれぞれの取引先と協働し、農場から食卓に至る過程で発生する食品ロス対策に取り組む。これらの企業による取り組みは80カ国以上に及ぶという。

WRIなどによると、アジア先進工業地域の食品ロスは消費段階で46%、流通段階で11%、加工段階で2%、取扱・貯蔵段階で23%、一次生産で17%の割合で発生していた。目標を達成するには消費段階、一次生産を含めたサプライチェーン全体での対策が必要だと指摘する。

日本プロジェクトでは、WRIが提唱する「目標設定・算定・行動」の取り組み手法に基づいて、参加企業が具体的な対策を実践していく。イオンは各社への情報提供やパートナー企業の紹介などサプライチェーン全体をつなぎ、目標達成に向け協働する。

2050年の世界人口は90億人に達するとされ、持続可能性な食生活の構築はグローバルな喫緊の課題。現在、世界では9人に1人が飢えに苦しむ一方で、生産された食品の三分の一(年間13億トン)が廃棄されている。国連の2030年に向けたSDGs(持続可能な開発目標)でも、食品廃棄の半減が掲げられている。

■日本プロジェクト参加企業

(本紙「ニッポン消費者新聞」1月1日新年特集号より転載)

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