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【米国】音声クローン技術、詐欺への悪用を懸念 実態を検証

米連邦取引委員会

人の声を忠実に再現する音声クローン技術が目覚ましい進歩をとげる中、米連邦取引委員会(FTC)は1月28日、この技術の現状や課題を検討するワークショップをワシントンDCで開催した。

音声クローン技術は声を失った人の会話に役立てたり、アナウンスに活用したりするなどの利用方法が考えられるが、一方で音声を用いた詐欺(オレオレ詐欺など)に悪用される恐れがある。

現在、人工知能とTTS(Text to Speech、文章を音声に変換する技術)の進化により、人の声をわずか5秒録音するだけで、その人のほぼ完璧な音声クローンを作成できるまでに開発が進んでいるという。

ワークショップはインターネット中継も行われ、「音声クローン技術の現在」「音声クローンのメリットとデメリット」「音声クローンの倫理面からの検証」などをテーマに議論した。FTCは「この技術が悪用されると、消費者はソーシャルエンジニアリング詐欺(人の行動心理や弱みにつけこみ、特定の行動へと誘導する詐欺=オレオレ詐欺やフィッシング詐欺、セキュリティ警告詐欺など)を見破ることがますます困難になる」と警戒している。

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