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英国スーパー、高齢者と医療従事者に優先買い物枠 開店前に

英国の消費者団体Which?

新型コロナウイルスの感染拡大により衛生用品や食料品の品不足が発生している問題で、英国の大手スーパーが連携し、高齢者と医療従事者に優先買い物枠を設ける取り組みを開始した。英国の消費者団体Which?が22日、伝えた。症状が重篤化しやすい高齢者への配慮と医療崩壊を防ぐ狙い。各社は早朝1時間を優先買い物タイムに設定している。

必要な人に必要な物資を提供することを目的に大手スーパーが連携した。各社はそれぞれの状況に合わせて取り組みを展開し、開店時間を早めて対応する。

アズダ(Asda)は月・水・金曜日の朝8時~9時までの1時間、医療従事者を対象に買い物枠を設定。

冷凍食品を主体としたスーパー、アイスランド(Iceland)は一部店舗で高齢者など脆弱な消費者向けに早朝オープンを実施する。

マークス&スペンサー(Marks&Spencer)は火・金曜日のオープンから1時間を医療従事者と救急隊員の専用タイム、月・木曜日を高齢者と脆弱な消費者の専用タイムとした。

モリソンズ(Morrisons)は月~土曜日の朝7時30分~8時までの30分間を医療従事者と福祉関係者専用とし、月・水・金の朝8時~9時までの1時間を高齢者・介護者専用とした。

テスコ(Tesco)は日曜日の開店時間前を医療関係者専用とし、月・水・金曜日の朝9時~10時までの1時間を高齢者と脆弱な消費者の専用買い物時間とした。

セインズベリーズ(Sainsbury’s)は当初、高齢者と医療従事者を分けずに専用買い物時間を設けようとしたが、「リスクの高いグループが新型コロナウイルス感染の危険にさらされる」との指摘が集中し、二つのグループに分けたという。

英国では生活必需品を求めて人々がスーパーに殺到しており、政府がパニックの鎮静化に苦慮している。アズダとテスコは商品陳列が間に合わず、24時間営業を中止。店舗スタッフ不足も深刻で、テスコは2万人を臨時的に雇用、アズダとアルディ(ALDI)、リドル(LiDL)の3社は計1万6500人のスタッフ募集を始めた。失業者に職を提供する動きに評価の声が上がる一方で、業界内部からは事態のさらなる悪化により、このまま供給体制を維持できるのか不安の声も上がっている。

Which?は消費者の買いだめ行動が始まって以降、スーパーの取り組みを監視。最新動向をホームページで報告し、消費者に情報提供する活動を展開している。

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