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【英国】スチームクリーナーでウイルス対策「理論上有効」

英国の消費者団体Which?

新型コロナウイルスの感染拡大とともに売り切れ状態になったスチームクリーナーについて、英国の消費者団体Which?が新型コロナ対策への有効性を検証する記事を掲載した。大手メーカーは「細菌の場合と同様に理論的には有効と思われる」と主張、英政府も石鹸水や消毒剤が使用できない布製品や寝具の清掃について、スチームクリーナーの活用を勧めている。

スチームクリーナーは高温の蒸気で汚れや油分を浮かせて除去する清掃器具。洗剤が不要で、拭き掃除では届かない細かい隙間の清掃も可能だ。衛生対策としてのニーズも高く、多くのメーカーが「細菌を99.9%除去」などをうたい、独大手のKarcher(ケルヒャー)は第三機関による検証データを公表するなどしている。

これに対し、Which?は「メーカーの主張は家庭内細菌のみを対象としていることに注意が必要だ」とした上で、「新型コロナでの検証実験が行われていないが、理論的には細菌と同様に高温の蒸気がウイルスにダメージを与えるはずだ」とする掃除機大手Shark(シャーク)のコメントを紹介した。

英政府は家庭内の新型コロナ対策として石鹸水と消毒剤での小まめな清掃を推奨。ただし「(拭き掃除ができない)布張りの家具やマットレスなどはスチームクリーナーを使って清掃する必要がある」と指導している。

Sharkによると、蒸気の温度は空気中で急激に低下するため、細菌除去効果を得るにはできるだけ近づけて使用することが重要だという。また、通常の清掃よりも長い時間、蒸気を当てる必要があり、「取扱説明書で推奨されている最大時間を超えないよう注意しながら当て続けてほしい」と強調している。

スチームクリーナーは布や鏡、タイル、フローリングなど多くの表面に使用できるが、木製の床材などでは反りが生じるおそれがある。Which?は取扱説明書をよく読み、疑問点があればメーカーに問い合わせるよう呼びかけている。

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