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エアコンの内部洗浄、業者に依頼を 5年で火災20件

気温や湿度の上昇とともにエアコンを使う機会が増える中、NITE(製品評価技術基盤機構)は6月25日、誤った内部洗浄方法による火災事故が発生しているとして注意を呼びかけた。洗浄液が電気部品に付着して発火したことが主な原因。今年は特に新型コロナウイルスの影響により、消費者自らが内部洗浄を行うケースが増えるとみられ、NITEは「正しい知識を持つ業者に依頼してほしい」としている。

内部の電子部品に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火したエアコン(NITE再現実験より)

今年3月までの5年間にエアコンの内部洗浄による火災事故が20件起きていた。

2016年10月に東京都で起きた火災事故では、エアコンを使用中に製品内部から出火し、製品が破損した。内部洗浄により配線端子部分に洗浄液が付着し、異常発熱したことが原因とみられた。製品の取扱説明書には「誤った洗浄液の選定、使用方法で内部洗浄を行うと、発煙、発火する恐れがある」との記載があったという。

NITEによると、エアコン内部の配線や基盤、ファンモーターなどの電気部品に洗浄液がかかるとトラッキング現象を起こし、発煙・発火するおそれがある。電気部品の取り付け場所は製品によって異なるほか、洗浄液の付着防止対策を行う必要があり、内部洗浄には専門知識が必要だという。

また、新型コロナウイルス対策として、消費者がエアコン本体を消毒用アルコールや漂白剤などで拭き掃除するケースが想定されるが、NITEは「内部洗浄だけでなく本体表面を掃除する場合でも、内部の電気部品に侵入する経路があるため、製品そのものに洗浄液などを使うのはやめてほしい」と強調。製品の説明書に従って手入れするよう呼びかけた。

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