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食中毒件数、2年連続アニサキス最多 2位カンピロバクタ―

厚生労働省

2019年に国内で発生した食中毒事件数は1061件で、前年と比べて269件減少した。患者数は4264人減の1万3018人、死者は1人増え4人となった。2人以上の患者が出た事例は689件で、全体の64.9%だったが、患者数は1万2646人と全体の97.1%を占めた。前年2件あった、500人以上の患者が出た食中毒の発生はなかった。病因物質別の発生件数では、この数年急増が目立ったアニサキスが減少に転じたものの2年連続最多となり、2位がカンピロバクター、3位がノロウイルスの順。これら3物質で全体の8割近くを占めた。

厚生労働省のまとめによると、病因物質別事件数の上位はアニサキスが328件(30.9%)、カンピロバクター286件(27%)、ノロウイルス212件(20%)となり、これらで全体の77.9%を占めた。一方、患者数における上位はノロウイルスが6889人、カンピロバクター1937人、ウエルシュ菌1166人の順で、ほとんどの事例(ノロウイルスは全事例)で患者が複数発生していた。

アニサキス食中毒は2016年に124件だったが、17年は230件に急増。18年は468件と倍増し、カンピロバクターを抜いて最多となっていた。19年は前年比で140件減少したものの2年連続して最多だった。

アニサキス食中毒の増加について、厚生労働省監視安全課は「2013年から食中毒事件票に病因物質としてアニサキスを追加した経緯があり、制度の周知に伴い、自治体からの報告件数が増加したことが一因にある」と説明。18年に倍増した理由については「海水温の上昇など環境要因も考えられる」とし、「今後の動向を注視し、必要に応じて対策を講じていきたい」としている。

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