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キユーピー、フレッシュストック事業に挑戦 業務用技術を食卓に

■売り方にも工夫、生鮮売場に展開へ 大きく変わる消費者ニーズに対応

キユーピーは9月4日、スーパーの低温売り場でグループ各社の調味料や総菜、たまご商品を陳列して販売する「フレッシュストック」事業に乗り出すと発表した。スーパーでの買い物時間の短縮やまとめ買い、簡単調理などの消費者ニーズに対応する。9月16日に新発売する野菜たっぷりの調味料を皮切りにテスト販売を重ね、来春の本発売でアイテム数を拡充する方針。2024年度に売上150億円を目指す。

オンライン記者会見に臨んだ長南収社長は「現在の共働き家庭には、忙しいから買い物時間を短くしたい、買い物をスーパーの生鮮売り場で終わらせたい、冷蔵庫でストックできるよう日持ちも考えたい、調理も簡潔にしたい、しかし、おいしさには妥協したくないというニーズがある」と述べ、「高度に多様化したニーズに応えるにはキューピーの業務用で培ったノウハウが役立つ。他社がまねできない技術を家庭内食に生かし、生鮮売り場と中食売り場にストックという価値を生み出すという新たな挑戦をしていく」と語った。

フレッシュストック事業の第1弾商品をアピールする長南収社長(4日、キユーピー渋谷オフィスよりオンライン会見)

フレッシュストック事業は、キユーピーの三本柱である調味料、総菜、たまご商品を、スーパーの低温売り場(青果・精肉・鮮魚・総菜コーナー)に展開して日々の買い物や調理を支援する試み。

新発売する野菜たっぷり調味料「のせる野菜 きざみ玉ねぎ[だし仕立て]」と同「おろし大根[ゆず仕立て] 」は青果売り場に陳列し、グループ会社サラダクラブが販売する千切りキャベツと薄切りの豚肉を購入すると、しゃぶしゃぶが楽しめる趣向。同事業を担当する藤原かおり上席執行役員は「お肉や魚を使った主菜サラダとして楽しめるよう工夫した商品。しゃぶしゃぶをする場合でも、まな板と包丁を使うことなくメイン料理が完成し、忙しいご家庭にぴったりのメニューだ」とコアピールした。

4月からテスト販売中の「そのままパクっと食べられるゆでたまご」は賞味期間が冷蔵15日と保存性があり、「好評を得ている」(長南社長)商品。同じく8月末から首都圏で総菜売り場で「あしたのお惣菜 チキンと 3 種豆のトマトソース煮込み」と「チキンと豆のごま豆乳クリーム煮込み」をテスト販売中。賞味期間を冷蔵30日とし、加熱殺菌工程を工夫してフレッシュ感のある味わいに仕上げ、レトルト食品との差別化を図っている。

長南社長は「創業101周年にキユーピーは新たな挑戦の一歩を踏み出した。消費者の必需品となる商品を投入していき、流通各社と魅力ある売り場づくりを目指したい」と力を込めた。

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