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【米国】製品事故によるER治療減少、ボタン電池や洗浄剤は急増

米消費者製品安全委員会

米消費者製品安全委員会(CPSC)がまとめた昨年3月から9月の製品事故関連のER(救急治療室)治療件数は、前年同期比24%減の625万6121件と大幅に減少した。新型コロナの影響で、多くの消費者が医療機関の受診を避けたことが要因とみている。一方でボタン電池や洗剤、石鹸、花火、ホバーボードなど特定の製品で重傷事故が増加しており、「パンデミック中に発生しやすい製品事故の新たなリスクパターンを浮き彫りにしている」と分析している。

CPSCの報告書によると、製品事故関連のER治療件数は大幅に減少したものの、最も重い負傷事故における治療件数は1%減にとどまった。ライフスタイルの変化の影響により特定の製品における重傷事故が増え、ボタン電池に関連したER治療件数は5~9歳の幼児で93%増と急増。全体では花火(56%増)、スケートボード・スクーター・ホバーボード(39%増)、ATV(全地形対応車)・ミニバイク(39%増)などとなった。

また、洗浄剤で84%増加し、石鹸・洗剤も60%増となった。自転車事故でのER治療件数は、全体では1%増と微増だったが、40歳以上で21%増、70歳以上では39%増と急増していた。

一方、スポーツ関連の負傷による治療件数は学校を含めて81%減と大幅に減っていた。

CPSCは「今回のデータは、パンデミックの際に消費者がどのような製品でどのように負傷したかを浮き彫りにしつつある。さらに多くの事例を収集・分析することで、家庭や職場、学校での安全確保に役立てられる」と報告。製品事故情報の提供を関係機関に要請していると強調した。

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