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伊藤明子消費者庁長官 「自分で考える消費者」育成へ啓発実施🔓

■消費者月間特別インタビュー 食品ロス削減・エシカル消費・消費者志向経営を推進

長引くコロナ禍の中、今年も「消費者月間」を迎えた。消費者問題の重要性を消費者・事業者・行政それぞれが確認し合う期間として設定されている。今年のテーマは「“消費”で築く新しい日常」。消費生活を一変させたコロナ禍を見据え、新たな日常を創造していく契機とする。これまで消費者保護への各種法制度導入や見直し、悪質商法への厳正対応、注意喚起情報の発進などを推進してきた消費者庁は、この「月間」を通して改めて様々な課題を提起、消費者・事業者、関係省庁などとの協働を呼びかける。ニッポン消費者新聞は伊藤明子消費者庁長官にその取組への思いをインタビューした。伊藤長官は、悪質業者に対する行政処分を厳正に実施するとともに、「だまされない消費者」「自分で考える消費者」の育成へ向けた情報提供・啓発活動の実施などを表明。事業者に消費者志向経営の推進を呼びかけ、コロナ禍においてこそ、身近な消費者問題の重要性が認識される必要があると強調している。

「新しい日常」を提唱する伊藤明子消費者庁長官

◎「新しい日常」どう構築、考える視点を提供

今年の消費者月間テーマは「“消費”で築く新しい日常」です。コロナ禍の中、新たな日常とは何か、身近な生活の中で体験する新しい領域は「コロナ後」にあっても継続され、定着されていくのか、それらを社会全体で考える契機となるテーマです。

コロナ禍は消費生活を一変させ、日々大きな影響を与えています。私は、昨年来提起されている課題には、いつでも変わらない不変的なもの、一時的で可逆的なもの、コロナ禍によっていっそう加速される不可逆的なもの、などがあり、消費者政策の推進にあたってはこの点への配慮が必要と考えています。

例えば、「家族」や「地域コミュニティ」の重要性、その問題領域はどんな時代でも不変的なものです。一方、旅行やインバウンドの減少・低下などは可逆的な一時的変化でしょう。それとは別に、テレワークや生活へのIT機器の導入はコロナ禍によっていっそう加速化される不可逆的領域のように思えます。どの領域においても消費者が誰一人取り残されないよう、どのように消費者に寄り添う施策が展開できるか、消費者行政の課題と考えています。

消費者月間は、このような消費生活の現状を見据え、課題の一つひとつを社会全体で考え、消費者問題の重要性を確認し合う期間として位置付けられます。悪質なコロナ便乗商法に対しては断固排除し、迅速に、法と証拠に基づき法執行を行い、消費者被害防止へとつなげていきます。一方、消費者が消費生活を豊かに安全に送れるようにするためには、将来像を踏まえた慎重な環境整備への検討が求められます。いずれにおいても力を注いでいきたいと思います。

◎一歩踏み出す 社会への呼びかけ推進

私はよく「おせっかい」と言われることがあるのですが、消費者行政推進には一歩踏み出す「おせっかい」さが必要と考えています。消費者庁が取り組む食品ロスの削減、エシカル消費の推進、消費者志向経営の推進、消費者教育の充実・強化など…(以下続く)

(本紙「ニッポン消費者新聞」5月1日消費者月間特集号より一部転載)

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