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コロナ禍の消費支出、月額1万7千円減少 生協が家計調査

日本生活協同組合連合会

日本生活協同組合連合会が実施した2020年度「家計・くらしの調査」によると、昨年(1-12月)の消費支出は月額平均34万9538円で、前年より約1万7千円減少した。コロナ禍のステイホームが影響したのか全世代で食費が増え、外食費が減っていた。また、消費増税の影響で税負担が増加し、低所得層ほど負担率が高い傾向がみられた。新型コロナ、緊急事態宣言、特別定額給付金、消費増税などの影響により、暮らしの変化がにじみ出る結果となった。

この調査は、生協組合員の家計と暮らしの変化を把握するため、1978年から実施されているもの。20年度は749世帯が回答した。

調査によると、世帯収入は月額平均63万4107円で前年比1万4541円の減少。年代別で増減に差がみられ、30代以下は4万8208円増加したが、40代は5556円、50代は3万1469円、60代は3万1323円減少していた。

一方、消費支出は約1万7千円減の月額平均34万9538円。特に50代以上は2万円以上減少していた。全世代で食費が増えて外食費が減った。コロナ禍で交際費・娯楽費が減少したためか、その他消費支出も30代以下を除き減少していた。

家計の年間収支平均は全体では77万8006円の黒字だった。しかし、年収600万未満の世帯は前年同様赤字となり、400万円未満の世帯は▲42万6786円と赤字が約3万5千円増えていた。一方、モニターからは「特別定額給付金」の支給により単月では黒字になったとの声も寄せられた。

また、並行して実施した「消費税しらべ」調査によると、1カ月当たりの消費税額は平均2万3696円で、前年よりも2181円増加した。コロナ禍で軽減税率の食費が増加し、10%課税となる交際費・娯楽費などの支出が抑えられたが、19年10月の税率引き上げの影響が数値に反映されたと思われた。収入に占める負担割合は400万円未満の世帯が5.79%、1000万円以上の世帯が2.94%で、過去の調査と同様に低所得世帯ほど高くなっていた。

コロナ感染拡大で暮らしの変化を余儀なくされる中、1年に渡り調査に協力したモニターからは「家計簿をつけると我が家の家計が成り立っていないことに気づいた」、「夫の会社で残業規制が強まり、収入だけ考えると不安な面もあるが、夫が子どもを病院へ連れて行ったり保育園への送迎を代わってもらったりと良い面もあった」、「給付金が入ったが、ボーナスが減額されたため、すべて、将来の子どもの大学資金として貯蓄した」など3千件以上のコメントが寄せられたという。

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