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EU、エネルギー価格高騰で消費者を緊急支援 BEUCが歓迎

欧州消費者同盟

世界的なエネルギー価格の高騰が経済や生活を脅かし始める中、欧州委員会は10月13日、困窮世帯や中小企業を保護するための緊急措置を発表した。電気ガス料金の支払い猶予や料金の一部補助、困窮世帯への減税などの対策を各国政府に要請していく。これを受け、欧州各国の消費者団体で組織するBEUCは「委員会は消費者を中心に据えた強力な勧告を発表した」と歓迎する声明を出し、各国政府に迅速な対策を求めた。フランス政府はすでに、困窮する580万人に100ユーロ相当のエネルギークーポン券を配布する措置を発表しているという。

欧州委員会はエネルギー価格の高騰が冬の間に収まることはないと予測。エネルギー担当のカドリ・シムソン委員は「EUにとって深刻な懸念事項だ。パンデミックからの景気回復に向けて脆弱な消費者を保護し、企業を支援することが重要であり、冬が迫る今、加盟国は迅速な措置を講じる必要がある」と述べた。

こうした動きに対し、BEUCは「パンデミックは多くの消費者に経済的困難をもたらし、すでに域内の10%の消費者がエネルギー貧困に陥っている」と指摘。困窮世帯を保護する緊急措置を歓迎する一方で、「将来的には化石燃料依存からの脱却、価格高騰が度々起こる不安定な世界市場からの脱却を図る必要がある。再生エネルギーへの移行を加速させることが唯一の手段であり、この手段だけが手頃な価格のエネルギー供給と脱炭素の両方を可能にする」と呼びかけた。

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