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【米国】アロマで子ども死亡か 類鼻疽菌検出 ウォルマート回収

米消費者製品安全委員会(CPSC)は10月22日、部屋にスプレーするタイプのアロマ製品が類鼻疽菌に汚染されている可能性があるとして、ウォルマートが香りの異なる6製品の自主回収を始めたと発表した。米疾病対策センター(CDC)によると、米国で今年に入って4人が類鼻疽を発症し、そのうち子どもを含む2人が死亡。ジョージア州に住む1人の患者宅から同製品を発見し、類鼻疽菌を検出した。CDCは現在、4つの症例との関連性を調査している。類鼻疽は米国ではまれだが、症状が風邪に似るなどして診断が難しく、致命的な事態を引き起こすおそれがあるという。

ウォルマートが回収するアロマ製品の一部(CPSC発表資料より)

リコールするのはベターホームズ・アンド・ガーデンズ(Better Homes and Gardens)ブランドの「エッセンシャルオイル注入ジェムストーン入りアロマセラピー・ルームスプレー」の6種類の香り、計約3900本。インド製の輸入品で、今年2月から10月までウォルマートの約55店舗と通販サイト「walmart.com」において約4ドルで販売された。ウォルマートは販売を停止し、20ドル相当のギフトカードと交換する返品対応を実施する。

CDCによると、4人の患者はそれぞれはカンザス、ミネソタ、テキサス、ジョージアの4州に在住。そのうち7月下旬に発症したジョージア州の患者の家から10月6日、同製品を発見し、臨床検査で類鼻疽菌を検出した。現在、同製品と4症例との関連性を調査しているという。米国での類鼻疽症例は年間12例ほどだといい、CDCは「米国ではまれだが、深刻な病気だ」と指摘。一方で、人から人への感染は非常にまれだとしている。

CDCは購入者に対して「すぐに使用を中止して、二重にしたジップ付きバッグに袋詰めし、段ボールで梱包してウォルマートに返送してほしい。ごみとして捨ててはいけない」と要請。アロマが付着した可能性のあるシーツ類は洗濯して高温乾燥機で完全に乾かし、机やカウンターはパインソルか消毒剤で拭き取るよう求めたほか、過去21日間に製品を使用して発熱や咳、頭痛などがある場合、医療機関の受診を呼びかけている。

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