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昨年度の冷凍食品売上、過去最高 日本生協連 一部で供給制限も

日本生活協同組合連合会(日本生協連)は4月12日、2021年度の冷凍食品売上高が前年比0.2%増の584.2億円と過去最高になったと発表した。海外工場の製造停止により主力商品の一部で供給が滞ったものの、コロナ禍の在宅時間の増加で麺類や丼などの調理冷食が伸長した。コロナ感染の第1波以降、一気に需要が拡大した冷凍食品だが、日本生協連は「その後も需要の高まり状況が続いている」としている。

ヒット商品を手にする日本生協連冷凍食品部の長門哲也部長と神津茜美さん。調理冷食が伸長し、過去最高の売上高を記録した(写真は主催者提供)

昨年度は、フライパン調理で少ない油でも皮がパリパリに仕上がる新商品「フライパンでパリッと中華春巻10本」や、トレイ入りで在宅時のランチにぴったりな新商品「えびといかの彩りパエリア仕立て」がヒット。既存商品では、大判のとんかつをレンジで手軽に調理できる「レンジでサクッとロースとんかつ2枚」(前年比24.2%増)や、おやつにも食事にもなる大袋「たこ焼き50個入り」(前年比8.7%増)などが伸長した。

記者発表した日本生協連第一商品本部冷凍食品部の長門哲也部長は「コロナ禍の在宅率の高まりで冷凍食品需要が伸長し、全般的に好調に推移した」と説明。一方で東南アジアの生産工場でクラスターが発生し、主力の焼き鳥などの供給を制限せざるを得ない事態になったことを報告し、「伸長する需要に対して生産や配送が追い付かないなどチャンスロスも一定程度あった。今後は安定的に組合員に届ける体制を強化することが課題だ」と述べた。

コロナ感染や資源・原料高、円安進行、人手不足など冷凍食品事業と取り巻く環境は厳しさを増しているが、今年度は安定供給やコスト改善、健康志向への対応、環境配慮型商品の開発などに取り組み、商品力強化を図っていくとしている。

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