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WHOも警告、欧州の肥満 消費者団体は緊急行動呼びかけ

欧州消費者同盟

WHO(世界保健機関)欧州地域事務局が最新報告書を公表し、ヨーロッパにおける肥満の増加を警告した。これを受け、欧州各国の消費者団体で組織するBEUCは、欧州委と各国政府に対し、健康的な食環境の実現に向けた緊急行動を呼びかけた。具体的には子どもへの広告規制、健康的な食品の利用促進策などをあげている。

5月3日に公表されたWHOの最新報告書によると、ヨーロッパ地域の成人のほぼ3分の2、子どもの3人に1人が太りすぎ(過体重)もしくは肥満で、この割合は依然として増加傾向にあった。WHOは「肥満に国境はない。ヨーロッパと中央アジアでは、肥満の増加を食い止めるという我々の目標が達成されていない」と指摘し、食品マーケティングの規制、子どもへの不健康な食品の販売制限、砂糖入り飲料への課税など、政府による包括的な介入施策が必要だと呼びかけた。

BEUCによると、肥満対策として国が商業市場に介入することは世界的な潮流で、WHOも公衆衛生を優先する強いリーダーシップを各国政府に求めている。紛らわしい栄養表示、店頭の目に付く場所に陳列された砂糖たっぷりの食品、テレビやSNSにおける不健康な食品広告が氾濫する中、WHOは報告書の中で「(肥満の増加を食い止めるには)個々の消費者に肥満への対処の責任を押し付ける現在の状況を転換させる必要がある」と指摘する。

BEUCは「政府は何年も前から何をすべきかを知っていながら行動しなかった」と批判。健康な食品が一目でわかるニュートリスコア(栄養評価ラベル)の義務化、子どもへの広告規制、健康な食品の利用・販売促進と低価格化などを早急に実施するよう改めて求めた。

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