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特殊詐欺、依然高水準 被害額減少も件数増加 還付金詐欺は倍増

警察庁

全国の警察当局が把握した2021年の特殊詐欺件数(認知件数)は、前年比7%増の1万4498件、被害額は1.1%減の282億円だった。被害額は過去最多だった2016年の565億円から半減したものの、1日当たり約7730万円の被害が発生している状況。警察庁は「依然として高齢者を中心に被害が高い水準で発生しており、深刻な情勢」としている。

警察庁の発表によると、前年に比べて認知件数、被害額ともに増加した詐欺手口は、オレオレ詐欺と還付金詐欺。特に還付金詐欺の被害が急増し、認知件数が2.2倍の4004件、被害額が81.4%増の45億円にのぼり、認知件数、被害額ともに過去10年で最多となった。総認知件数に占める割合も27.6%(14.3ポイント増)と上昇。ほかの手口による被害が大都市圏に集中する中、還付金詐欺は7都府県(東京・大阪・神奈川・千葉・埼玉・愛知・兵庫)以外にも拡散する傾向がみられた。

一方、オレオレ詐欺は認知件数が35.8%増の3085件、被害額が33.4%増の90億円。総認知件数に占める割合は21.3%(4.5ポイント増)となり、還付金詐欺とオレオレ詐欺で全体の半数近くを占めた。

また、65歳以上の高齢者被害の認知件数は9.8%増の1万2724件と増加した。総認知件数に占める高齢者率は88.2%(2.4ポイント増)で、オレオレ詐欺では95.4%、還付金詐欺では94.4%と高かった。

警察庁は特殊詐欺予防対策を進めており、還付金詐欺では金融機関と連携し、高齢者を窓口に誘導する取り組みを展開している。

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