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【米国】コロナ禍にスピード違反増加 その後も危険運転が常態化

米国道路安全保険協会(IIHS)の最新調査によると、新型コロナウイルス感染拡大初期の2020年3月~6月にかけて、制限速度を10mph(マイル毎時)以上超過して走行する自動車の割合が前年同月比50%以上増えたことがわかった。国のデータでは、その後もスピード違反やその他の危険な運転行為の増加が示されており、IIHSは「ロックダウンによる交通量の減少がドライバーのスピード違反を誘引したが、ロックダウンが解除されて交通量が戻ってもドライバーは減速しておらず、危険運転が新たに常態化していることが示唆された」と懸念している。

調査によると、バージニア州では20年3月中旬にレストランの営業自粛や外出禁止令が始まり、5月中旬までロックダウンが続けられた。その間、交通量は平時の四分の一にまで減少したが、制限速度を10mph以上超過した走行する自動車の割合は、一部の幹線道路を除くすべての道路で前年同月比30~40%増加していた。特に朝のラッシュアワー時(6時~9時)には43%、午後のラッシュアワー時(15時~18時)には63%上昇していた。

交通量の減少が主な要因だが、ロックダウン解除後も危険運転行為の増加傾向がみられた。国の全国統計によると、20年から21年にかけてもスピードの出しすぎやその他の危険運転行為の増加傾向は続き、20年の衝突事故死者数は7%増加、21年はさらに5%増加するなどしていた。

IIHSは「昨年、交通事故でおよそ4万3000人が亡くなり、危険な運転行為の増加を見過ごすことはできない。速度規制やスピードを抑制する道路設計などの導入を進める必要がある」と指摘している。

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