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住宅防火対策周知へ東京消防庁と東京ガスが連携 啓発冊子配布

今年に入って住宅火災の死者が急増しているとして、東京消防庁は7月14日、東京ガスと連携し、住宅防火対策の周知に取り組むと発表した。東京ガスが契約者宅を訪問した際、住宅用火災警報器の設置や定期的な点検を呼びかけていく。同庁管内の全住宅を対象とした火災警報器の設置義務化から10年以上が経過しており、電池切れや部品劣化などにより正しく作動しないおそれがあるという。

取り組みは7月15日から開始した。東京ガスの作業員がガス機器の点検や新規契約時のガス開栓などで契約者宅を訪問した際、東京消防庁作成のリーフレット「鳴りますか?住宅用火災警報器」を配布し、定期的な点検と本体の交換について重点的に周知していく。年間約200万戸への配布をめざす。

7月13日に東京消防庁本部庁舎で執り行われた依頼状交付式の様子(東京消防庁提供)

火災警報器は設置から10年を目安に交換が必要なうえ、ホコリなどで汚れると火災を感知しにくくなる。リーフレットは▽適切な設置▽設置後10年を目安とした本体交換▽半年に1回以上の定期的な作動確認▽定期的なお手入れ――などを呼びかける内容。また、火災警報器を設置することで速やかな避難・通報・消火が可能となり、未設置の場合と比べて、死者を伴う火災件数が約三分の一に、焼損床面積が約四分の一に軽減されることを示した。

東京消防庁管内では今年2月から3月にかけて、住宅火災による死者が急増し、7月13日(17時現在)で前年同日比13人増の52人が亡くなった。そのうち43人(82.7%)が65歳以上の高齢者で、20人が「一人暮らしで出火時本人のみ」、八人が「高齢者世帯で出火時1人または高齢者のみ」だった。また、亡くなった53人のうち22人(42.3%)は住宅火災警報器を設置していなかったほか、5人(9.6%)は設置していたものの作動しなかった、もしくは作動したかどうかが確認できなかったという。

7月13日に東京消防庁本部庁舎で、東京消防庁から東京ガスに対する依頼状授与式が執り行われた。東京ガスは火災発生時の早期発見・早期避難を重視し、ガスもれ・火災・一酸化炭素の発生を知らせる付加機能付き住宅用火災警報器の普及に取り組んでおり、「お客さまの安全のために、東京消防庁との連携により、取り組みを一層進めていく」としている。

(本紙「ニッポン消費者新聞」8月1日号より転載)
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