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「ネット取引・デジプラ110番」10月の土日開催 NACS 

電話相談

公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)は10月中の土曜日・日曜日、東京と大阪で「ネット取引・デジプラなんでも110番」を開催する。毎年この時期に開催される「NACSなんでも110番」。時宜に適ったテーマのもと消費者から苦情相談事例を収集し、それを消費者施策の導入へと役立ててきた。今年の110番ではネット取引全般をめぐり相談を受け付けるとともに、「デジタルプラットフォーム(DPF)を介した問題」にも焦点をあてていく。アプリストア、フリマアプリ、食事デリバリー、旅行・飲食店予約、配車サービス、キャッシュレス支払いなどの背面で商品・サービスの購入について意識せずにDPFを利用している実態があるという。そこでいったんトラブルが発生したときに交渉が難航するDPFを介した相談事例についても個別解決への対応やアドバイスなどを提案していく。寄せられた事例を一つひとつ精査しつつ、関係行政機関への政策提言や関係業界団体に対し改善提言も提示する予定だ。

今年のNACS「なんでも110番」はネット取引に関する全般的相談が対象。ただ、多くのネット取引にはデジタルプラットフォーム(DPF、デジプラ)を介した契約が多いことから今回は「ネット取引・デジプラ何でも110番」とし、DPFが関係するネット取引の契約構造の問題にもメスを入れる。

今年は4月に成年年齢が引き下げられ、デジタルを積極的に活用する18歳、19歳の被害が深刻化。それら被害例への対応とともに、年齢を問わず事例を収集する。

NACSでは「寄せられた相談、苦情内容を集計・抽出・分析し、その背景にある問題点を精査、現在の法規制の不備など関係諸機関に情報提供や提言をしていく」としている。また、相談内容を今後の消費者教育の教材作成や講座で提供する情報として活用、消費者への注意喚起に役立てていくとしている。

この1年間にNACSの「消費者相談室ウィークエンド・テレホン相談室」には、次のような様々なネット取引・DPF関連相談が寄せられてきた。

「ネット取引」では、サブスクリプション、詐欺サイト、情報商材・副業に関する苦情事例。10歳代女性からの相談では「成人ではあるが高校生。ネット通販で最低2回購入が条件の栄養補助食品を購入。初回99円。2回目以降は2万円強でコンビニ後払い。2回目が届いた後に事業者に解約の電話をして承諾されたが、2カ月後に3回目の商品が届いた」。

40歳代女性からのサブスクリプション相談では「洋服5点を見繕って送ってもらうサービスを利用。1点購入するとスタイリスト料金が無料となり、5点すべてを購入すると送料が無料になる。コートを依頼しようと思い注文。届いたのはコート1点。苦情を伝えたらトップス3点・ボトムス2点を届けるサービスであり、コート5点は送付しないという。商品発送前に連絡すべきであり注文を取り消したい」

DPF関連相談では、オンラインモール、オンラインゲーム、フリマアプリでのネットオークション、航空券予約サイト、体験型旅行(グランピング)紹介サイト、グルメサイトによるポイントトラブルなど、千差万別。40歳代女性の苦情事例では「シェアリングエコノミー業者経由で七五三の出張カメラマンの紹介を依頼。撮影料を渡し撮影してもらったが、撮影データが届かない。問い合わせしても応答がないので、シェアリングエコノミー業者に問い合わせたが、紹介しているだけなので自分で交渉するようにと言われた」。

「NACSネット取引・デジプラなんでも110番」の大阪相談室は10月1日、8日、26日、22日の土曜日。電話番号は06・4790・8110。東京相談室は、10月2日、9日、16日、23日の日曜日。電話番号は03・6450・6631。受付時間は10時から16時。東京相談室はFAX(03・6450・6591)でも受け付ける。

(本紙「ニッポン消費者新聞」10月1日号より転載)
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