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特商法の抜本改正求め43団体がキックオフ集会 全国運動展開へ

◎不招請勧誘規制、ネット通販での契約取消権、マルチ規制強化など要求

特定商取引法の「5年後見直し」の時期が近づくのを前に、消費者など43団体が集結して10月7日、「特商法の抜本的改正を求める全国連絡会」を結成した。全国規模で運動を展開し、獲得目標とする「不招請勧誘規制の導入」、「インターネット通販規制の整備」、「マルチ規制の強化」の3項目を是が非でも勝ち取る構え。事務局長に就任した全国消費者行政ウォッチねっとの拝師徳彦弁護士は「より多くの団体に参加してもらい、オール消費者として運動を展開していく必要がある」とし、地域団体を巻き込みながら運動を拡大していく考えを示した。

「インターネット通販には抜本的な規制が必要」と呼びかける全国連絡会事務局長の拝師徳彦弁護士(10月7日、主婦会館にて)

主婦会館で行われたキックオフ集会はライブ配信され、全国約250人が参加した。来賓として招かれた消費者庁の真渕博審議官は「特商法については必要があれば法改正や考え方の明確化を行っており、被害の実態や執行状況など全体を見ながら対応していく。規制の強化などについて意見や指摘を寄せてほしい」と発言。消費者委員会の後藤巻則委員長は「連絡会の結成を心強く思う。ライブ配信の参加者が続々と増えていくのを目の当たりにして運動の盛り上がりを感じる」と期待を寄せた。

事務局によると、集会当日は43団体18個人での始動となったが、12日現在、さらに2団体が加盟して45団体へと拡大している。幹事会は▽日本消費者協会▽全国消費者団体連絡会▽日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)▽主婦連合会▽全国消費者行政ウォッチねっと▽全国青年司法書士協議会▽全国消費生相談員協会▽日本司法書士会連合会▽不招請勧誘規制を求める関西連絡会――が担い、加盟団体を支援していくほか、運動の方向性や規制の具体案などを詰めていく。

獲得目標として位置付ける「不招請勧誘規制の導入」については、事前拒否者に対する訪問勧誘・電話勧誘の禁止を求める方針。「インターネット通販規制の整備」では、SNSによる勧誘トラブルの深刻化を踏まえ、クーリング・オフや契約取消権、行政規制の導入とともに、悪質販売事業者に関する情報開示をSNS事業者に請求できる制度の導入を求める。「マルチ商法規制の強化」では、国による登録・確認等の開業規制の導入を要求していく。

主婦連の河村真紀子会長は「特商法の前身となる訪問販売法の制定から46年が経ち、超高齢化やデジタル化といった社会の変化に法規定の中身が追い付いていない。抜本的改正は待ったなしだ」と強調。NACSの樋口容子副会長は「SNSによる執拗な勧誘で若者だけでなく中高年にも深刻な被害が発生しているが、通信販売に規定されるためクーリング・オフも中途解約もできず、被害者も相談現場も疲弊している」と報告した。

全国連絡会は今後、意見提出や周辺団体への加入呼びかけ、各地でのシンポジウムや勉強会などを展開し、法改正の必要性を広く訴えていく方針。地方議会請願や署名運動も行い、国会を動かす決意だ。

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