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【米国】ロマンス詐欺苦情が大幅減 ネットフリックス効果で

NCL

米国最古参の消費者団体、ナショナル・コンシューマー・リーグ(NCL)は2月6日、2022年版トップテン詐欺レポートを公表し、ロマンス詐欺の苦情件数が前年に比べて31%減少したと報告した。昨年はロマンス詐欺に焦点を当てたネットフリックスのドキュメンタリー映画「The Tinder Swindler」(『Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む』)や実話ドラマ「Inventing Anna」(『令嬢アンナの真実』)が人気となり、NCLは「消費者の詐欺に対する意識と防衛力を高めた可能性がある」と指摘している。

一方で暗号資産を含む投資詐欺が猛威を振るい、被害額の中央値が前年の10倍に急増。NCLは「ビットコインを含む暗号資産は昨年夏に大暴落したが、詐欺師にとってはかえってセールスポイントになった可能性がある」と指摘している。

苦情の多かった詐欺トップテンは以下の通り。

ロマンス詐欺が急減したことについて、NCLは「ロマンス詐欺のようなデリーケートな問題が映画やドラマの中で取り上げられたことは、問題への偏見をなくし、被害者の救済につながり、被害防止に役立つ」とコメント。また、投資詐欺の被害額の中央値が前年の1750ドルから22年の1万8700ドルに急増したほか、詐欺の送金手段として個人間送金アプリが悪用され始めていることについて、「昨年横行したゼル(Zelle)詐欺をはじめ、P2P(ピアツーピア)の個人間送金アプリによる手口が目立っており、新たなテクノロジーを背景にした詐欺の手口はますます進化している」と指摘している。

トップテン詐欺レポートはNCLに寄せられた消費者苦情を調査したもの。今回は3503件の詐欺苦情を分析した。

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