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【米国】解凍した肉、再冷凍できる? 消費者団体が調査

鶏肉

解凍したひき肉が余った場合、あなたは再び冷凍庫に入れる? それとも……。この、しばしば起こる悩ましい葛藤について、米国の消費者団体コンシューマー・リポートが安全性や品質の視点から調査を試みた。専門家らの見解をまとめると、「厳格に取り扱えば再冷凍を繰り返しても安全性は保てるが、肉がパサパサになり美味しくなくなる」とのこと。コンシューマー・リポートは「現実を踏まえると、消費者が安全に肉を冷凍・解凍することは難しい。それを繰り返すたびに食中毒のリスクが高まる」と指摘している。

調査によると、解凍は温度管理がとにかく重要。米農務省はカ氏40℃(摂氏4.4℃)を超えるとバクテリアが増殖する可能性があると警告している。ジョージメイソン大学のテイラー C.ウォレス博士は「冷蔵庫での解凍が最も安全で理想的な方法」とし、庫内の温度がカ氏40℃以下に設定されていることを確認してほしいとしている(コンシューマー・リポートは庫内設定温度としてカ氏37℃を推奨している)。

解凍したひき肉、シチュー肉、鶏肉は1~2日で消費すること。ステーキなどに使う(大きく厚く切った)牛肉、豚肉、ラム肉のカットは3~5日程度なら冷蔵保存が可能だという。

また、冷水による解凍は肉をビニール袋に入れて浸し、30分ごとに水を交換すること。電子レンジで解凍した肉は解凍中に安全な温度を超えることがあるため、すぐに加熱調理すること。これらはいずれも農務省が示した解凍方法だ。

農務省の安全ガイドラインを厳格に守る限り、再冷凍しても安全性は保てるが、品質の低下は避けられない。ペンシルベニア州立大学のマーティン・バックナベージ氏によると、「冷凍するたびに細胞内の水分が氷の結晶となり、分子構造が損なわれる。すると解凍時に水分が流れ出てパサパサになる」という。また、ノースウェストミズーリ州立大学のジェイコブ R. チュエル博士は「脂質やタンパク質が酸化し、臭みや酸味が増す可能性がある」としている。

コンシューマー・リポートは「消費者が肉を安全に解凍し、再冷凍することは難しい。取り扱うたびに台所などのバクテリアに汚染される可能性もある」と指摘。品質を保つには急速冷凍することがポイントだとし、少量ずつ小分けにして冷凍し、必要な分だけを解凍して使い切るよう呼びかけた。どうしても再冷凍したい場合は加熱調理した肉を冷凍するようアドバイスした。

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