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ハンドクリーム、成分確認し自分にあったものを 都センで講座

コロナ禍での手指の消毒や冬の乾燥で手荒れが気になる季節――。東京都消費生活総合センターは2月15日、ハンドクリームをはじめとするスキンケア製品の上手な選び方と利用方法を学ぶ実験実習講座を開いた。同センターの清水雅子技術支援専門員が表示の見方や取り扱い上の注意点などを解説。講座の最後には正しい塗り方を実演し、約50人の参加者も、持参したハンドクリームで実習するなどした。

ハンドクリームの正しい塗り方を実演する清水専門員。乾燥しやすい手の甲から塗り始めるのがポイント(2月15日、東京都消費生活総合センターにて)

スキンケア製品に関する講座は人気が高く、定員50人に対し100人近くの応募があった。会場には30歳代から80歳代まで幅広い年齢層の参加者が席を埋め、2時間半にわたり清水専門員の解説に耳を傾けた。

成分表示のルールについて、ハンドクリームには様々なタイプがあるが、化粧品として販売されている製品には全成分表示が義務付けられている。一方、医薬部外品(薬用ハンドクリーム)は「表示指定成分」(香料を含めて103種類)が表示義務となっている。医薬部外品でも業界自主基準で全成分が表示されているものもある。

化粧品の成分表は量の多い順に記載されていることから、読み解くポイントの一つは、初めの方に書いてある成分に着目すること。「水性タイプなら水、エタノール、グリセリンなど、油性タイプなら炭化水素(ワセリンなど)や植物油脂、ロウ(ホホバ種子油など)などが記載されている」とし、「水性の保湿タイプは昼間に、油性タイプは夜間に塗るなど症状やシーンに応じて使い分けてほしい」との説明があった。

また、含有量が少ないほど成分表の下に記載され、1%以下の成分は順不同に記載される。さらに、香料や着色料については、配合量によらず、まとめて末尾に表示されることもある。

防腐剤の添加を気にする人も多いが、「ハンドクリームは栄養豊富で防腐剤がないとすぐにカビなどの微生物が繁殖したり、変質したりするおそれがある。なくてはならないものであり、自分の体質に合うか合わないかを知るためにも成分表を確認して、安心して使用できる製品を選んでほしい」と強調した。

講座の最後には上手な塗り方を披露。手の甲が最も乾燥しやすいため、まず手の甲にクリームを乗せ、もう片方の手の甲をあてて体温で柔らかくした後、甲同士をすり合わせて塗り、手のひら、指先、指のまた、手首へと順に伸ばすとよいとした。

今回は、感染症対策のため講師のデモが中心の講座となったが、今後はヒアルロン酸を用いた化粧水の体験実験なども行いたいとしている。

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