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繊維to繊維リサイクル 実現には消費者の理解必要 主婦連学習会🔒

◎帝人フロンティアの沖本さんが最新技術を紹介

繊維産業に環境対策を求める動きが世界的に強まる中、主婦連合会の衣料部は11月22日、学習会「繊維製品の過去・現在・未来について考える」を開いた。帝人フロンティア・サステナビリティ戦略推進部担当課長の沖本智美さんが世界と日本の取り組み状況を報告し、繊維to繊維リサイクルの実現に向けた最新技術を紹介した。沖本さんは「リサイクル技術や回収の仕組みづくりなどの課題については一つの解決策が見いだされたが、リサイクル製品をいかに売れるものにしていくかという課題が残っている。アパレルメーカーの力とともに、一般生活者の理解が必要だ」と呼びかけた。

大きく変化する繊維業界の未来図を語る帝人フロンティアの沖本智美さん(11月22日、主婦会館プラザエフにて)

沖本さんによると、欧州で繊維製品を巡る規制強化の動きが加速しており、処分量に関する情報開示や売れ残り品の廃棄禁止、環境負荷に関する製品ラベル表示といった厳しい要件が次々と施行される予定。また、海外アパレル大手各社が環境規制に先行し、自主的な取り組みを進める動きが広がっているという。

一方、日本でも経済産業省が検討会を設置し、昨年5月に「繊維ビジョン」と「繊維技術ロードマップ」を策定。重点的な取り組みとして、マイクロプラスチック対策、バイオ素材の普及、無水型染色加工技術の実用化とともに繊維to繊維リサイクルが位置付けられた。沖本さんは「この数年、目まぐるしく繊維業界への規制が厳しくなり、日本でも対策を打つ必要が出てきた。国内でもアパレルが衣服の回収に取り組んだり、リサイクル素材の使用をうたうポップが掲示されるようになったりと変化がみられる」と説明した。

こうした中、帝人フロンティアはポリエステルとポリウレタン弾性繊維の複合素材からポリウレタンを分離・除去する技術を開発。繊維to繊維リサイクルの前進につながるとして、世界的な注目を集めた。ポリウレタンは着心地や伸縮性を高め、繊維製品には欠かせない素材。衣料品などに数%程度使われるが、ポリウレタン混紡素材はリサイクル対象外となり……(以下続く)

(本紙「ニッポン消費者新聞」12月1日号より一部転載)

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