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高齢者相談増加 化粧品の定期購入トラブル相次ぐ 都上半期

東京都消費生活総合センター

東京都内の消費生活センターに寄せられた今年度上半期の高齢者相談(60歳以上)は2万1393件で、前年同期比4.2%増加した。「化粧品」や「健康食品」の定期購入に関する相談が引き続き増加していることなどが要因。また、悪質性の高い取引である「判断不十分者契約」の相談も589件あり、年齢が高くなるほど相談件数が多くなっていた。都は「本人が気を付けることはもちろん大事だが、周囲の人も気を付けていくことが重要だ」と呼びかけている。

商品・サービス別の上位5位は「化粧品」(1973件)、「商品一般」(1660件)、「工事・建築」(1168件)、「健康食品」(766件)、「移動通信サービス」(669件)。1位の「化粧品」と4位の「健康食品」は主に定期購入に関する相談が増えており、特に「化粧品」は前年同期の1676件から今年度上半期の1973件へと増加していた。中でもインターネット通販での定期購入トラブルが目立ち、「美容液」「育毛剤」「ファンデーション」に関する事例が目立った。2位の「商品一般」は、大手通販サイトや宅配業者、金融機関をかたる「迷惑メール」の相談が多く、高止まりの傾向がみられた。

また、十分な判断ができない高齢者に対して契約させる「判断不十分者契約」の相談は589件、契約購入金額の総額は約6億7000万円となった。商品・サービス別では「工事・契約」「新聞」「健康食品」が上位を占めたほか、年代別では60歳代32件、70歳代127件、80歳以上が430件と年齢が高くなるなるほど多くなる傾向が見られた。都は「加齢による疾病や認知機能の低下により十分な判断ができない状態にある高齢者がトラブルに巻き込まれるケースが70歳代で増え始め、80歳以上になると急増している」と指摘した。

高齢者の被害防止には訪問販売、インターネット通販、電話勧誘など販売形態に応じた対策を取ることが重要だといい、本人に加えて、家族やヘルパー、民生委員など周囲の人による気付きと早めの相談が大事だとアドバイスしている。東京都消費生活総合センターは「高齢消費者見守りホットライン」(電話03-3235-1334)を設置している。

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