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【英国】葬儀の前払いプラン、6人に1人が利用 家族の負担軽減

英国の消費者団体Which?

葬儀サービスの業界団体、全英葬儀プランプロバイダー協会(NAFPP)の年次報告書によると、昨年の埋葬と火葬のおよそ6件に1件が前払いの葬儀プランで執り行われたことがわかった。本人自らが事前に葬儀のタイプを選べることができ、親族の経済的負担も軽減できることから、同協会は「継続的な需要が見込める」としている。

英消費者団体「Which?」は前払い葬儀プランのメリットとして「葬儀費用を現在の値段で固定できるため、インフレを心配する必要がない」「愛する家族が葬儀費用を払う必要がなく、葬儀の準備にかかる時間と精神的な負担も軽減できる」などをあげている。

Which?によると、この業界では強引勧誘による消費者トラブルが多発し、金融行動監視機構(FCA)が2022年7月に規制を強化。認可制の導入、飛び込み電話勧誘(コールドコール)の禁止、金融サービス補償制度 (FSCS)の適用などの消費者保護が図られた。その際、認可を得られなかった一部の事業者が破綻し、数千人が被害を受けたという。今回の年次報告書は前払い葬儀プラン部門に関する初めてのもので、昨年、執り行われた葬儀のうち前払いプランによるものが11万2019件あったという。

NAFPPのスティーブ・ローランド会長は規制をクリアした事業者の健全性をアピールし、「新規参入事業者が家族向けの新たなプランを提供しており、これまで以上に選択肢が増えるだろう」とコメント。

一方、Which?は「葬儀サービスに関するすべての費用が含まれるわけではなく、埋葬地、花、通夜、ケータリングなどの追加料金が必要な場合がある」と指摘。「適切なプランを選ぶため比較サイトを活用するのも一つの手。ただし、葬儀プランは複雑な場合があるため、ポリシーを注意深く確認し、不明な点は事業者に問い合わせてほしい」と呼びかけている。

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