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在宅ワーク装うコンサル業者 東京都が業務停止命令

東京都庁

データ入力などの在宅ワークの募集を装ってアフィリエイトのコンサルティング契約を勧誘していた事業者に対し9月13日、東京都は特定商取引法に基づき6カ月間の業務一部停止命令を下すとともに、違反行為是正を指示した。

この事業者は「株式会社ルーチェ」(東京都新宿区)。アフェリエイトのコンサルティング業務を展開している。東京都消費生活部取引指導課によると、同社に関する都内での相談件数は今年8月末までの約3年半で31件。相談者の平均年齢は約37.7歳で平均契約金額は約47万円だった。都によると問題となった同社の勧誘行為は次のような特徴を持っていた。

まず求人広告サイトに同社と異なる「一般社団法人△△」などの名称で、「データ入力の在宅ワーク」という求人募集をかける。応募した消費者に電話をかけて面接の日時や場所を伝える。

事務所を訪れた消費者に突然「アフィリエイトなら月に最低5万円稼げる」などと説明。アフィリエイトをするために「月1万円のコンサルティングが必要」と勧誘する。

次いで、消費者を契約のために改めて事務所に呼び出し、高額な契約を結ぶ。その際、クレジットの申込書に年収を偽るなどウソの情報を記載するよう勧めることがある。

実際のコンサルティングでは、同社の設定した課題を達成しないとアフィリエイトを始められず、契約の多くは5万円以上稼いでいなかった。

東京都は、これらの行為は特定商取引法の「氏名等不明示」「不実告知」「広告表示義務違反」「概要書面不交付」「契約書面不備」「契約書面虚偽記載教唆」などの違反行為に該当すると判断。同社に6カ月の一部業務停止を命じ、業務改善を指示した。

都・取引指導課は、「ネットビジネスなど専門的知識がないものについて契約する際は、事業者の説明をうのみにせず、慎重に検討を」などと消費者に注意を喚起している。

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