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鉛のリスク評価、再び着手 食品安全委員会がWG設置へ

食品安全委員会は4月23日、鉛の食品健康影響評価を行う「鉛ワーキンググループ(WG)」を新たに設置することを決めた。鉛WGは2008年に一度設置されたが、データ不足により耐容摂取量(一生にわたり摂取し続けても健康影響が現れない摂取量)の設定に至らないまま15年に廃止されていた。その後の調査活動により新たな知見が集まったことから、再びリスク評価に着手する。

鉛ワーキンググループの設置を決めた食品安全委員会(24日午後)

2008年に設置された鉛WGは2010年3月まで10回に渡る審議を行い、一次報告を取りまとめた。そこでは有害影響を及ぼさない血中鉛濃度として、一般成人「10μg/dL以下」、ハイリスクグループ(胎児、小児、妊婦など)「4μg/dL以下」を設定したが、血中鉛濃度と鉛摂取量との関係を示すデータが不足していたため、耐容摂取量を算出することができなかった。以降、開催されないまま、2015年には組織の見直しに伴いWG自体が廃止された。

鉛を巡っては、厚生労働省から「清涼飲料水の規格基準の改正」と「器具及び容器包装の規格の改正」について、それぞれリスク評価を依頼されている。新設するWGでは評価の迅速化を図るため、これらの事案を含めて審議する方針。食安委事務局は「速やかに評価を行う準備を始めたい」としている。

鉛は環境中に広く存在する重金属で、日本人は米、穀類、芋類、野菜類、肉、魚介、乳製品、調味料など幅広い食品から摂取している。

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