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電動アシスト自転車、正しい保管と点検で安全に 多摩で講座

電動アシスト自転車の安全な使い方を解説する実習講座が6月13日、東京都多摩消費生活センター(立川市)で開かれた。定員となる16人が参加し、上手な選び方や点検方法などを学んだ。講師のパナソニックサイクルテックお客様相談センター長の河島伸夫さんは「バッテリーは消耗品で、寿命の目安は約2年。使い方により大きな差が出るため、高温になる場所には保管せずに長持ちさせてほしい」と呼びかけた。

実習で使われた電動アシスト自転車(左)と電動アシスト三輪自転車(13日、多摩消費生活センターにて)

都が主催した実験実習講座には、自動車運転免許証の返納と電動アシスト自転車の購入を検討している男性や日常生活の足として使用している女性など16人が参加。仕組みや使い方などについて活発な質問が飛び交った。

河島さんは電動アシスト自転車を巡る高齢者事故を紹介した上で、安全を最優先して自転車選びをするよう強調。「個人個人で体力や能力が異なる。軽くて扱いやすいもの、乗り降りしやすい形状のもの、サドルにまたがって両足が地面につくものを選んでほしい」と呼びかけた。

電動アシスト自転車はバッテリーが高額(3万~4万円程度)で、消費者の負担感も強い。バッテリーの劣化には充放電回数と使用期間の二つの要因があるといい、河島さんは「50%しか電力をためられなくなる目安は充放電で700~900回、期間は約2年。こういう状態になると使い方によってはバッテリーの交換が必要になる」と説明。バッテリーを長持ちさせるポイントとして▽高温にならない場所で充電・保管する▽坂道ではギアを一段下げるなどして負荷を和らげる▽長期間使用しない場合、残量が空っぽの状態で放置せず、ある程度残った状態で保管する――ことをあげた。

また、自転車を横倒しにして保管しないよう注意を呼びかけた。河島さんは「モーターやバッテリーは立っている状態では雨水が下に抜ける構造になっているが、台風などで倒れた状態で放置すると内部に水が侵入し、異動動作につながる恐れがある」と指摘。昨年は台風による塩害の被害(サビの発生など)も多く寄せられたとして、台風通過後は真水で洗い流すよう呼びかけた。

河島さんは転倒事故が報告されている電動アシスト三輪自転車についても触れ、「三つの車輪で支えるため安全な乗り物だという印象があるが、通常の自転車とは構造や機能が異なっている上、操作性が悪く、傾いた道路や段差でハンドルをとられる恐れがある」と指摘。「歩行がおぼつかない方で、自転車に乗れない方にとっては欠かせない乗り物。自転車に乗れる場合は通常の電動アシスト自転車を選んでほしい」と呼びかけた。

近年は自転車による歩行者への接触事故も問題視されている。道路交通法では車両として扱われるため、運転者は重い責任を負う。自転車選びに始まり、保管方法、使い方、使用前の自主点検、専門店による定期メンテナンス、保険の加入など安全を最優先した行動が求められているという。

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