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【米国】健康的な食事は感情にも好影響 腸内細菌の働きか

コンシューマーリポート

健康的な食事は糖尿病からがんに至るまで、多くの病気のリスクを減らすことが知られているが、心のバランスにも良い影響を与える可能性があることが最新の研究でわかってきた。米消費者情報誌コンシューマー・リポートが「食べるものがあなたを幸せにする」と題したレポートを公表し、様々な最新研究を紹介している。

今年4月に欧州の栄養学術誌で発表された研究では、健康的な食事(農作物、全粒粉、ナッツ、オメガ3脂肪酸の豊富な食事)を取っている人ほど、うつ病が少ないことが判明。また、心理学系医学誌で発表された16の研究の被験者約4万6千人分のデータを分析した研究では、食物繊維の豊富な野菜を取っている成人はうつ症状を起こしにくかったという。

食事の選択がどれほど精神面に影響を与えるかは明らかになっていないが、コンシューマー・リポートは腸と脳のリンクに注目し、特に腸内細菌による可能性を指摘した。Nature Microbiology誌に昨年2月に発表された研究によると、うつ状態の人は腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスが悪いことがわかった。コロンビア大学医学部のドリュー・ラムゼイ博士は「腸内の善玉菌は気分に関係する多くの精神伝達物質を生成することが知られている」とコメントした。気分に関連するホルモン、セロトニンもその90%が消化管で生成されるという。

一方、「超加工食品」(ソフトドリンクやインスタント食品、加工品のチキンナゲットなど)が多く使われた食事は肥満や心血管疾患にリスクが上昇。European Journal of Nutrition誌で5月に発表された研究では超加工食品を最もよく食べるグループは少量しか食べないグループよりも、うつ病のリスクが33%高かったという。

コンシューマー・リポートは「これを食べれば幸せになるということはないが、専門家の意見をまとめると有益なアドバイスができる」とし、幸せになる食事のポイントを提案している。

こうした栄養学的なアプローチに加え、楽しい食事が重要だといい、友人などとテーブルを囲む、食事の色取りをカラフルにしてきれいに並べる、ゆっくりと味わって食べることが重要だとした。

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