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【米国】加工肉の「硝酸塩無添加」表示は誤解招く 使用禁止を

公益科学センター

食品政策を監視する非営利団体、公益科学センター(CSPI)と消費者情報誌コンシューマー・リポートはこのほど、米農務省に対し、「Uncured(保存処理していない)」や「No Nitrate or Nitrite Added(硝酸塩・亜硝酸塩無添加)」といった表示を加工肉に使用しないよう求める嘆願書を提出した。これらの表示は誤解を招きやすく、より健康的であるとの誤った印象を消費者に与えると指摘している。

コンシューマー・リポートが鶏肉やハム、ローストビーフ、サラミなどの加工肉31商品を調べたところ、「Uncured」や「No Nitrate or Nitrite Added」の表示のあった商品から通常の加工肉と同じレベルの硝酸塩などが検出された。

実はこうした表示のある加工肉には、硝酸塩を含有するセロリなどの野菜粉末が代替原料として使われていて、無添加表示の説明として「天然由来成分を除く」と小さな文字で記載されている。コンシューマー・リポートのシャーロット・ヴァレイズ氏は「硝酸塩無添加の表示のある加工肉は健康的なイメージを与えるが、実際の健康リスクは通常の加工肉と本質的に同じだ」と説明。こうした表示は硝酸塩を避けたいと考える消費者を誤解させると指摘した。

テストした加工肉の硝酸塩・亜硝酸塩のレベルは基準を下回っていたものの、CSPIのSarah Sorscher氏は「消費者の混乱を終わらせるために、こうした表示を使用禁止にすべきだ」と主張している。

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