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製造元不明なガストーチ流通、都内でガス漏れ火災相次ぐ

メーカー名の記載がない安価なガストーチバーナによる火災が相次いでいるとして、東京消防庁が注意を呼びかけている。調理しようと点火した際、調整つまみやカセットボンベ取り付け部からガスが漏れて引火するといい、昨年から今年にかけて14件の火災が起きていた。同庁は製品に異常がないか十分に注意してほしいとしている。

今年6月、世田谷区内で火災を引き起こしたガストーチバーナ。調整つまみの根元からガスが漏れた(東京消防庁提供)

東京消防庁によると、ガス漏れを起こしたガストーチは、パッケージや本体にメーカー名の記載がなく、製造元が不明な海外製。主にインターネット通販で流通し、国内メーカー品に比べて低価格な上、部品点数が少ないのが特徴。複数の販売業者が独自の商品名で販売していて、連絡がつかない販売業者も多いという。

ガストーチの不具合による火災は昨年9件、今年も8月末現在ですでに5件起きており、負傷する事例も発生。購入してから短期間のうちにガス漏れを起こすケースもみられた。今年7月に世田谷区内で起きた火災では、調理に使用中、調整つまみの根元からガスが漏れて引火したという。

漏れたガスに引火した場合、激しく燃え続けるため、容易に消火することが難しく、シンクの水栓やシャワーをかけたのに消せなかったという事例も多く報告されている。同庁は消火器の使用が有効だとし、消火器がない場合は多量の水を張った容器に水没させることで消火できるとしている。一方で、火を遮ろうと鍋に入れたり、ボウルを覆いかぶせたりするのは危険。火災の熱がボンベに伝わって破裂し、爆発的に燃えるおそれがあるという。

ガストーチを使用する際は水を張ったバケツを用意しておくと効果的だとしている。

東京消防庁が行った再現映像の一場面。漏れたガスに引火し、炎があがった

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