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在宅介護を支援するユニバーサルデザインフード、認知度1割未満

将来、在宅介護をする可能性のある人を対象に介護食の認知度を調べたところ、食べやすさに配慮した「ユニバーサルデザインフード」(UDF)を知っていた人が7.4%にとどまることが、キユーピーの調査でわかった。在宅介護では日々の食事の準備に負担を感じる人が多く、市販用介護食をうまく取り入れることが重要とされる。キユーピーは市販用介護食の魅力を伝えるなどして、在宅介護のサポートとなる提案を続けていくとしている。

ユニバーサルデザインフード(UDF)のロゴマーク。「舌でつぶせる」「かまなくてよい」など4区分と「とろみ調整」がある

ユニバーサルデザインフードは日ごろの食事から介護食まで幅広く使用できる、食べやすさに配慮した食品。食べる人の状況に応じて「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」の4つの区分と「とろみ調整」をそろえ、日本介護食品協議会の自主規格に基づいたUDFマークがついている。

5月に実施した調査(30歳以上の男女対象)によると、将来、在宅介護をする可能性のある人(3138人)が最も知っていたのは「ペースト食」(51.3%)。次いで「ゼリー食」(40.6%)、「やわらか食」(39.2%)、「ミキサー食」(38.8%)と続き、ユニバーサルデザインフードは7.4%と1割未満だった。

一方、市販用介護食の利用経験のある介護関与者(588人)に今後の利用動向を聞いたところ、「とても使用したい」「やや使用したい」が77.6%にのぼった。食べる力が弱くなるにつれ「とても使用したい」との意向が高まり、「舌でつぶせる」「かまなくてよい」に該当する食事を家庭で作ることが難しいことがうかがえた。

日本介護食品協議会によると、ユニバーサルデザインフードの2018年生産量は前年比10.2%増の2万4174トンに拡大。特に「かまなくてよい」が45%増と大きく伸長した。政府は在宅介護・在宅医療を推進する方向性を示しており、介護者の負担軽減につながる市販用介護食の重要性が増している。キユーピーは発売20周年を迎えた「やさしい献立」シリーズを展開しており、「口から食べることやおいしい食事の大切さとともに、在宅介護のサポートとなる提案を続けていく」としている。

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