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ワコール、無重力でバスト計測 動き抑えるブラジャー着用提案へ

ワコールは1月15日、同社麹町ビル(東京・千代田)で「重力からバストを守ること」をテーマとしたカンファレンスを開き、日本初となる無重力状態でのバスト計測の研究成果を発表した。

研究によると、無重力に近い状態でのバストは自然で丸みを帯びたきれいな形状になることが判明。一方、普段の生活では、加齢に加え、重力による外部刺激によって皮膚のはりの低下が誘発され、バストのかたち変化や下垂の要因になっていることがわかった。同社は「生活シーンに合わせてバストの動きを抑えるブラジャーを着けることが『重力からバストを守ること』につながる」と報告した。

重力からバストを守る重要性を説明するワコール人間科学研究所の坂本晶子主任研究員(右)と国際医療福祉大学三田病院の奥田逸子准教授(15日、ワコール麹町ビルにて)

ワコールは今回、「皮膚」と「重力」に着目した新研究に着手。飛行機で急上昇後に急降下することで約20秒間の無重力状態を作り、被験者3人のバスト計測を行った。こうした実験は日本で初めてという。

その結果、無重力状態でのバストは、底面が上がり、ボリュームが上下左右均等の丸い状態に近づき、皮膚への負担が少ない状態になることがわかった。ワコール人間科学研究所主任研究員の坂本晶子さんは「実験でバストの皮膚を引っ張っているのは重力であることがわかった。重力の影響を減らし、皮膚へのダメージを少なくする工夫が必要だ」と報告。「生活シーンによって起こるダメージに対応できるブラジャーの着用を提案していきたい」と語り、今後、研究領域をトータルボディケアへと拡大していくことを明らかにした。

また、エイジングに詳しい国際医療福祉大学三田病院の奥田逸子准教授は「加齢や重力によって乳房が下垂してくるため、自分に合ったブラジャーを着けることが大事だ」と指摘。「無重力状態を維持するにはブラジャーでバストを包み、きちんと収めること。乳房の仕組みや加齢性変化を理解し、少しでも長く美しいバストを維持する取り組みをおこなってほしい」と呼びかけた。

ワコールは過去55年間で約4万5000人分にも及ぶ計測データを蓄積。同じ女性を30年以上にわたり計測し続けた時系列データなど独自の研究を積み重ね、商品開発などに役立てている。

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